ベンチマークツール「Geekbench」のユーザーによるテスト結果が公開されているオンラインデータベース「Geekbench Browser」に、これらのモデルのベンチマーク結果例が掲載されている。それを見ると、マルチコアスコアではSurface Pro 3が「3063」で、Surface 3の「3031」をわずかに上回り、シングルコアスコアではSurface Pro 3が「1503」、Surface 3が「961」となっている。マルチコアスコアの差が小さいのは、Surface 3に搭載のAtom x7がクアッドコアであるのに対し、このベンチマークテストに使ったSurface Pro 3が搭載するCore i3がデュアルコアだったことに起因するものだろう。
われわれがベンチマークテストに使用したモデルは、Surface 3、Surface Pro 3とも上記のモデルとは異なる。Surface 3は、Atom x7(上記モデルと同じ)と2GバイトのRAMを搭載するエントリーモデルを使用。Surface Pro 3は、「Core i5」と8GバイトのRAMを搭載する、よりハイエンドのモデルを使用した。以下では、この2モデルのベンチマーク結果を比較する。この比較は不公平であることは確かだが、両者のパフォーマンスの違いを浮き彫りにできる。
ベンチマークテスト「wPrime」では、プロセッサの性能を比較した(図1)。
ベンチマークテスト「3DMark 11」では、グラフィックスカードの総合的なゲーム性能を計測した(図2)。
Surface 3はバッテリーベンチマーク「Powermark」で、Surface Pro 3を打ち負かした。Powermarkは、システムを酷使した場合のバッテリー持続時間の概算を示す。
ただし、われわれが別途実施したバッテリー消耗テストでは、Surface Pro 3の方がバッテリー持続時間が長かった。このテストは、ディスプレイを最大輝度に設定し、無線LANを介してWebブラウザの「Google Chrome」で動画配信サービス「Netflix」をストリーミングするというもので、ユーザーが最低限期待できるバッテリー持続時間を調べることを目的としている。このテストでSurface Pro 3のバッテリーは5時間持ったが、Surface 3のバッテリーは3時間30分しか持たなかった。
これは奇妙な結果だ。だが、バッテリーの減りが遅いという評判や、両方のタブレットを使った経験から見て、Surface 3の方がバッテリー持続時間が長い。ただし、Surface Pro 3もなかなかのものだ。このクラスの他の端末と比べるとなおさらだ。
Surface Pro 3は以下の構成と価格で提供されている(国内価格は税別)。
Surface 3の構成と価格は以下の通り(国内価格は税別)。
以上のモデルは全て無線LAN規格IEEE 802.11a/b/g/n/acでの通信が可能で、Surface 3では近くLTEモデルがリリースされる(国内では、Surface 3の法人向けは上記のWi-Fiモデルに加えてLTEモデルもラインアップされており、価格は64Gバイトモデルが7万8800円、128Gバイトモデルが8万8800円。個人向けはLTEモデルのみで、価格は64Gバイトモデルが8万1800円、128Gバイトモデルが9万1800円)。Surface Pro 3にはLTEモデルはなく、今後も投入予定はない。
Surface Pro 3にはスタイラスペンの「Surfaceペン」(単体で49.99ドル、税別5980円)が付属し、Surface 3にはオンラインオフィススイート「Office 365」の1年分のサブスクリプション(69.99ドル相当)が付属する(国内でもSurface Pro 3にはSurfaceペンが付属し、個人向けモデルは「Office PremiumプラスOffice 365サービス」も標準搭載する。Surface 3の個人向けモデルにも同サービスの標準搭載などの特典が付く)。
Surface Pro 3とSurface 3には、両製品のマーケティングで前面に押し出されているキーボード付きカバーの「タイプカバー」が付属していない。どちらの端末でも、タイプカバーは129.99ドル(税別1万5680円)で別途購入しなければならない。
Microsoftは、Surface 3とSurface Pro 3用にスタイラスペンを1種類だけ販売している。それがN-Trig製のSurfaceペンだ。このペンはどちらのタブレットでも快適に使える。だが、4.99ドル(税込581円)で安っぽい「Surfaceペンループ」を買わなければ、どちらの端末にも固定する場所がない(国内では、Surface Pro 3用のタイプカバーを購入すれば、Surfaceペンループが付いてくる)。
試したところ、ゆっくり描いた線を滑らかにするのはSurface 3の方が得意で、エッジ検出でもSurface 3が若干優れていることが分かった。だがこれは重箱の隅をつつくような見方であり、こうした違いが購入判断を左右することはないだろう。さらに、デジタルアーティストやイラストレーターは、Surface Pro 3の大きなディスプレイを好むはずだ。大画面は小さな短所を補って余りある。
サイズのわずかな違いを別にすれば、Surface 3とSurface Pro 3はタイプカバーも非常に似ている。どちらのタイプカバーも、入力が快適で楽なキーボードだ。
ただし、この2つのタイプカバーのキーは少し違っている。Surface Pro 3用の「Surface Proタイプカバー」には、Windows 8.1の各種設定、「デバイス」「共有」のチャーム(設定画面)などを開くショートカットキーが用意されている。
Surface 3用の「Surface 3タイプカバー」ではこれらのキーの代わりに、画面の明るさを調整するキーやプリントスクリーンキー(Windowsクリップボードに画面全体のスクリーンショットを格納する)などが配置されている。われわれはSurface Proタイプカバーのショートカットキーは全く使わなかったが、Surface 3タイプカバーの画面の明るさを調整するキーは使った。Surface 3タイプカバーの辛勝といったところだ。
ほとんどの一般ユーザーはSurface 3で十分事足りるし、満足できるだろう。Surface 3はやはりプレミアムな端末だ。499ドルという価格に十分に値する。たとえ市場にはもっと安価な選択肢が溢れているとしてもだ。
もっと強力な端末が必要な人には、Surface Pro 3が断然向いている。Surface Pro 3は、超薄型軽量のボディに高い処理能力を備えた端末を求める一定のユーザー層にとって最高の端末だといえる。
Surface 3の128GバイトモデルとSurfaceペン、タイプカバー(合計約780ドル)を買おうと考えている人は、Surfaceペンが付属するSurface Pro 3のCore i3モデル(799ドル)を選んだ方が得策だろう。BluetoothやUSBキーボードは十分安く、Officeの代わりに使える無料ソフトウェアもたくさんあるからだ。
「Surface 3」についてその特徴やスペック、オプション製品を説明。気になるデバイスの気になるところがよく分かる。
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