Oracle Databaseのクラウド移行がより簡単に、「ボタン1つ」は本当?

Oracle Databaseのインスタンスを「ボタン1つ」でクラウドへ移行できるようにすると発表したOracle。データベースの巨人である同社のクラウドへの取り組みを振り返る。

2017年02月14日 10時00分 公開
[提供:日本オラクル株式会社]

 Oracle OpenWorld 2014初日に登場したOracleのCTO兼会長のラリー・エリソン氏は絶好調で基調講演を行った。同氏はまず、Oracleの新しいSoftware as a Service(SaaS)機能についてゆっくりと話し始めた。

 やがて、同氏が操作するクリック装置が動かなくなってしまった。しかし、プレゼンはむしろそこから好調になった。

 CEOを退任したばかりのエリソン氏は、装置の不調に気分を損ねた様子だったが、すぐに真骨頂を発揮した。壇上の炭酸飲料でのどを潤し、「Oracle Database」がいかに簡単にクラウドへ移行できるようになるかを語り、ライバルのSalesforce.com、Workday、SAPをこき下ろして観客を笑わせた。Oracleの新しいクラウドデータベースサービスに関する発表は実のある内容だった。

Oracle Databaseのクラウド移行が簡単に

 OpenWorldの初日基調講演は毎回多数の発表があり、要点を絞るのはなかなか難しい。今回のエリソン氏の発表でも、新しいSaaSアプリケーション171種、「Zero Data Loss Recovery Appliance」、データベース命令が含まれる「SPARC」チップ、フラッシュストレージを使用した新しいストレージエリアネットワークデバイスなど、数えきれないほどだった。

 その中でも今回の目玉となったのは、Oracle Databaseのインスタンスを「ボタン1つ」でクラウドへ移行できるようにするという発表だ。Oracleはビジネスアプリケーションやサーバハードウェア、ストレージデバイス、マイクロプロセッサ、クラウドサービスも販売するとはいえ、何といってもデータベースの会社である。30年以上前の創業時から続く主力製品Oracle Databaseが今も全ての中心だ。

 エリソン氏の説明によれば、Oracle Databaseのインスタンスをシームレスにクラウドへ移行できるようにすることは、30年前からの顧客との約束を守ることだという。ITはメインフレームからマイクロコンピュータ、クライアント/サーバシステム、シンクライアントへと進化してきたが、Oracle Databaseはそのたびに新しいアーキテクチャへの移行を果たし、ここまで発展を続けてきた。今度はOracleのDatabase as a Service(DaaS)クラウドプラットフォームによって、その約束を守るのだという。

 TechTargetのアソシエイトサイトエディター、ジェシカ・サーキンの伝えるところによれば、エリソン氏はこの基調講演で次のように述べたという。「30年間続けてきたのと同じことが私たちには期待されている。それはコードを1行も変えずに全てをアップグレードできるようにすることだ」

 同じようなことはAmazon.comの「Amazon Relational Database Service」で既に実現可能だという指摘も一理あるだろう。ただ、Amazonのサービスは主としてOracleの新しいデータベースインスタンスを対象としているが、エリソン氏が今回発表した機能では、「Oracle Database 11g」と「12c」の既存のオンプレミスインスタンスを簡単にクラウドに移行できるという。これは素晴らしいことであり、今後Oracle Databaseをクラウドへ移行する場合の第1選択肢になるだろう。


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