SAPの「2027年問題」が迫る今、回避策として有力なのがSAP S/4HANAへの移行だ。だがその実現に向けては、データ移行に関する課題が立ちはだかる。データ構造の変換作業に要する手間やリカバリーの懸念を解消するには、何が必要なのか。
「SAP ERP」を利用してきた企業にとって「2027年問題」は解決すべき喫緊の課題だ。「SAP ERP 6.0」の標準サポートがない状態で使い続けるか、「SAP S/4HANA」に移行するか、他社のERPに乗り換えるかを、SAP ERP 6.0の標準サポートが終了する2027年までに決断しなければならない。
これまでSAP ERPを使ってきた企業であれば、自然とSAP S/4HANAへの移行を考えるだろう。だが、そこで注意すべきなのがSAP S/4HANAの専用データベース「SAP HANA」だ。
SAP HANAはインメモリデータベースで、これを活用することで高速処理が可能になる。一方で、これまで使ってきたデータベースを継続して利用できないというデメリットがある。もちろん既存のデータベースからSAP HANAにデータ移行はできるが、SAP ERPとSAP S/4HANAはアプリケーション内部のテーブル構造が変更されているため、それに合わせてデータの構造を変換する作業が必要だ。時間がかかる上、もしものときのリカバリーなど注意すべき点は多い。
こうした「SAP S/4HANAのデータ移行に関する課題」を解決するために注目すべきなのはストレージだ。最適なストレージを選択することでデータ移行作業を効率化し、バックアップやリカバリーの懸念を払拭(ふっしょく)できる。ではSAP S/4HANAに適したストレージはどのように選べばいいのか。
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