プロジェクトを成功に導くのはユーザー自身、手法よりベンダー依存体質の改善を大企業に多いDX推進の「落とし穴」

ITプロジェクトにおいて、ユーザー企業の役割はシステム企画やプロジェクト管理が中心になりやすい。特に大企業ほど、ベンダー依存の傾向が強いだろう。しかし、DXを推進するには、そうした組織体質から脱却する必要がある。

2022年04月27日 10時00分 公開
[ITmedia]

 ITプロジェクトの推進に当たってしばしば問題になるのが、ユーザー企業のリーダーシップだ。日本市場ではITエンジニアの多くがベンダーに所属する背景もあり、ユーザー企業の役割はシステム企画やプロジェクト管理が中心になりやすい。特に大手企業の場合、メインフレーム時代から特定のベンダーがユーザーのシステムを専門で担当する体制が長く続いたこともあり、「ベンダー依存」に陥っている傾向が強い。

 500万ステップ超の巨大なシステムをクラウドネイティブ環境へマイグレーションしたある企業もそうだった。この企業は、紆余(うよ)曲折を経てクラウドネイティブ環境への移行を実現。その際、プロジェクトの成否を握ったのは、マイクロサービス化やアジャイルなど、移行を実現する技術や手法よりも、むしろ、ベンダー依存の組織体質や組織文化からいかに脱却するかだったという。

 ベンダーの言いなりにならず、自分たちがプロジェクトオーナーとしての覚悟を持ち、従来型の開発手法やアプローチを捨てて新しい手法を採用したことで、頓挫しそうだったプロジェクトを成功に導くことができたのだ。

 DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や企業変革に欠かせない、エンドユーザーが持つべきリーダーシップとプロジェクトの進め方とはどのようなものなのだろうか。

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