クラウド向けのセキュリティ対策はオンプレミスシステム向けのセキュリティ対策とは仕組みや構造が異なるため、クラウド活用のハードルになりやすい。従来のセキュリティに関する技術やノウハウを生かしながらクラウドを保護する方法とは。
デジタルトランスフォーメーション(DX)や働き方改革、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴うテレワークの推進など、企業のさまざまな取り組みの中心にあるのがクラウドだ。システムの拡張性や可用性を容易に高めることができるクラウドの特性は、素早くビジネスを展開したい企業のニーズに沿う。「アマゾン ウェブ サービス」(AWS)は、そうした特性を備えるクラウドの代表例だ。
企業のクラウド全面活用はスムーズに進むケースばかりではない。特にハードルとなりやすいのがセキュリティだ。従来のセキュリティ対策は、オフィスやデータセンターといった通信経路が限られる場所での利用を想定している。これはクラウドを利用する業務環境の保護に適切だとは言い難い。オンプレミスシステムとクラウドを併用する場合、セキュリティ対策の難易度はさらに増す。
いつでも、どこでも企業がクラウドを安全に利用するにはどうすればよいのか。AWSに関する知識や経験が不足している企業が、サイバー攻撃に対抗し、クラウドに構築したシステムを安定的に運用するには何が必要なのか。本稿はAWSを利用する企業に向けて、セキュリティ問題解決のヒントを提示する。
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