近年はサプライチェーンを狙う攻撃が目立ち、自社だけでなく他社のためにセキュリティ対策を強化する必要性が高まっている。2022年上半期のサイバー脅威を振り返り、セキュリティ対策の優先順位について専門家に聞いた。
ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)をはじめ、さまざまなサイバー攻撃の事件が連日のように報じられている。攻撃を受けた場合、サプライチェーンが混乱して工場の操業を停止せざるを得なくなったり、決算発表の延期を強いられたりと、事業そのものに重大な影響を受けるケースが目立っている。
国内の著名企業が実際に被害に遭い、身近な取引先にサイバー攻撃の影響が及ぶと、「サイバー攻撃はビジネスに直結する問題であり、株価やレピュテーション(企業の評判)の低下をもたらすだけでなく、企業そのものが立ちゆかなくなる恐れがある」という警告を大げさだとは思えなくなってきている現実がある。セキュリティ対策はIT部門やセキュリティ担当者だけの話ではなく、経営層も含めて企業全体で取り組む課題と言える。
近年のサイバー攻撃にはどのような傾向があり、具体的にどう対策すべきなのか。サイバーセキュリティの専門家に、2022年上半期の脅威動向と、優先すべきセキュリティ対策を聞いた。
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