「あくまでデジタルは手段」 築地本願寺が目指す“スマートテンプル”とは仏教界のDX推進

社会が大きく変化する中で生き残るためには何をすべきだろうか。築地本願寺が選んだのが、デジタル技術を活用した「スマートテンプル」構想だ。「変わらないこと」の象徴のように語られる伝統仏教の寺院がなぜDXに取り組むのか。

2022年12月06日 10時00分 公開
[ITmedia]

 デジタル技術の急速な発展によって効率性や利便性が向上する一方で、「変化についていけない」と感じる人も多い。大きな変化が起こる社会で生き残るためにどうすべきだろうか。

 「変わらない方が安心で楽かもしれないが、これだけ激変する社会であれば、変化に対応していかなければいけないのだと痛感しています」と語るのは浄土真宗本願寺派 築地本願寺の東森尚人氏(責任役員副宗務長)だ。

 東森氏は2018年に本山である京都府の龍谷山本願寺(西本願寺)から築地本願寺に着任して以来、DX(デジタルトランスフォーメーション)を担当している。具体的には「スマートテンプル」という新しい仏教寺院の在り方を目指し、コンタクトセンター整備にも取り組んでいる。

 「変わらないこと」の象徴のように語られる伝統仏教の寺院がなぜDXに取り組むのか。東森氏が語ったのは、社会の変化に不安を感じる人により寄り添うためという宗教の原点に立ち返るという理由だった。東森氏は「デジタルはあくまでそのための手段」と強調する。

 IT人材を大量に抱えているわけではない同寺がどのようにサービス導入を検討し、DXで成果を出すに至ったか。具体的な取り組み内容を見ていこう。


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