万一の感染時にも慌てない、ランサムウェアに対抗する堅牢なバックアップとは？：復旧時の負荷軽減やリードタイム短縮も重要

セキュリティ対策としてDaaSを活用しようとする動きがある。ただしランサムウェア攻撃はDaaSに保存するデータも攻撃対象となるため、データ保護の必要性は変わらない。データ保護の要となる、堅牢なバックアップシステムの実現方法とは。

[ITmedia]

　近年、企業を脅かすサイバー攻撃の一つとして、ランサムウェア（身代金要求型マルウェア）攻撃の被害が広がっている。この背景には、サイバー攻撃者が用いる手法の高度化や、攻撃者を支援するサポートツールの登場などの理由がある。働き方改革や新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の影響で、従業員の働き方が急激に変化し、今までのセキュリティ対策では対処が難しくなっていることも要因だ。

　テレワークの採用を進める中で、社内システムへの侵入経路になるエンドポイントを保護するため、従来型のデスクトップPCやノートPCから仮想デスクトップのクラウドサービス「DaaS」（Desktop as a Service）に乗り換える企業が出てきている。DaaSでは、独立系ソフトウェアベンダー（ISV）といったサービス提供者が「VDI」（仮想デスクトップインフラ）を運用し、仮想デスクトップをユーザー企業に提供する。エンドポイントのリスク軽減には一定の効果があるものの、DaaSの採用だけでは、ランサムウェア攻撃のようなサイバー攻撃から完全に身を守ることは難しい。

　日々巧妙化するサイバー攻撃に対して、どのような対策を講じれば、安全性を向上させることができるのか。