バックオフィス部門でIT活用が進まず、担当者が社内外からの問い合わせ状況を可視化できない。問い合わせの窓口や連絡手段がバラバラで、顧客や従業員の手間が掛かる――。こうした悩みを解消する新たなアプローチの実力を、事例から探る。
さまざまな業界でITを活用した業務効率化の取り組みが進んでいる。しかしバックオフィス業務に目を向けてみると、果たしてどれくらいデジタルの恩恵を享受できていると言えるだろうか。企業の事業部門や、人事、財務などの管理部門は、社内外から寄せられる問い合わせに対処する必要がある。このときに「問い合わせの状況がどこまで進んでいて、いつ頃に解決するのか見当もつかない」という状況に陥るケースがある。
こうした悩みを抱えているのは、問い合わせ対応の担当者だけではない。問い合わせをする顧客や従業員も、「どの部署の誰に連絡をとればいいのか分からない」「複数の窓口にメールや電話、ポータルサイトなど別々の手段で連絡しなければならない」といった問題を抱えている場合がある。
自社の業務効率化を進めるには、こうした煩雑で非効率な社内手続きを変革し、従業員がストレスを感じることなく働ける職場を実現する必要がある。これを実現するのに役立つ手法の一つが、ESM(エンタープライズサービス管理)だ。ESMとはどのような手法で、どのような用途に役立つのか。事例を基に解説する。
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