企業の“脱PPAP”が進みつつある。しかしオンラインストレージサービスや添付ファイルの自動分離システムなどの代替策では、メール受信者に手間を掛けさせることになり、開封率低下の懸念がある。セキュリティと利便性を両立させる秘策は。
ここ数年、企業は添付ファイルをメールで送信するときに「PPAP」を避けるようになった。PPAPとは、パスワード付きZIPファイルをメールに添付し、そのパスワードを別メールで送るというファイル送付方法だ。この方法は十分なセキュリティを確保しにくいどころか、さらなるセキュリティリスクを生む可能性がある。
2021年ごろから、さまざまなユーザー企業が“脱PPAP”に向けて取り組んでいる。PPAPの主な代替策には、ファイルをオンラインストレージサービスに格納して、共有用リンクを相手に送信する方法や、添付ファイルを自動でメールから分離して、URLリンクに置き換えるシステムを使う方法などがある。しかしこれらの方法は単なるファイル添付に比べると送信時の手間が掛かる。受信者にとっても、リンク先のURLやファイルをうまく開けなかったり、ファイルの保管場所が分散したりといった手間が生じ、利便性が低下する
URLリンクからのファイル受領に慣れていない一般消費者に添付メールを配信するB2C(消費者向けビジネス)の企業や採用担当者は、受信者のファイルの開封率が下がってしまうことは避けたいはずだ。脱PPAPにおける従来の代替策の意外な落とし穴、そしてメールセキュリティ対策とユーザー利便性を両立させる新しいアプローチについて解説する。
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