ミッションクリティカルなシステムのクラウド移行が増える中、その運用監視環境の冗長化が課題となるケースも多いようだ。クラウドサービスによってはクラスタ化の制約もある。信頼性の高い監視環境を実現する、効果的な手段はないものか。
インフラ環境が複雑化する中で、統合運用管理ソフトウェアの重要性はますます高まっている。複数のクラウドサービスやオンプレミス環境をカバーすることはもちろん、一元的な情報収集・監視機能も欠かせない。ミッションクリティカルなシステムをクラウド移行する事例も増えている今、こうした監視環境の強化は今後も求められるだろう。
ただ、悩ましい点が、監視環境自体の冗長化だ。クラウドでHAクラスタ環境を構築する場合、クラウドサービスによっては共有ディスクを利用できなかったり、クライアントとの接続方法が制限されたりすることがあるため、その実現は容易ではない。
そこで本稿では、実際に運用システムをプライベートクラウドからAmazon Web Services(AWS)に移行した企業の取り組みを例に、クラウドでの監視環境を効率的に冗長化するためのポイントを探る。監視環境のHAクラスタ化だけでなく、「障害発生後、10分以内にスタンバイ環境に切り替える」といった高度な要件も実現できた秘訣は何だったのか。
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