「電子帳簿保存法」に2024年からの猶予措置が設けられたが、電子取引データの紙媒体での保存はあくまで「やむを得ない事情がある場合」の例外措置だ。取引データの電子化によって法令順守だけではなく、経理事務を効率化する方法とは。
2023年、企業の経理部にとって注目すべきトピックは「インボイス制度」(適格請求書等保存方式)と「電子帳簿保存法」だ。2023年10月に始まるインボイス制度への対処に気を取られるあまり、年末までに完了させるべき電子帳簿保存法への対処が後回しになっていないだろうか。2024年1月以降も電子取引におけるデータ保存の義務化には猶予措置があるため、「しばらくは放っておいても大丈夫」と考える企業も出てくる可能性がある。しかしこれはコンプライアンスの面で望ましくない上に、業務非効率な状態を放置することになる。
A社は先日、システムをインボイス制度に準拠したものにアップデートした。「システムのインボイス制度への適応は済んだし、これで当面は大丈夫だろう」と社長は楽観視しているが、浮かない顔をする経理課長と経理担当者。「システムをアップデートして終了ではないのに……」「電子帳簿保存法への対処は?」「紙での運用と保管をまだ続けるのか……」と、月末に押し寄せる大量の書類を見て嘆いている。
次ページで、電子帳簿保存法の猶予措置に関して誤解されがちなポイントと、問題解決のヒントを、マンガを交えて解説する。
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