セキュリティ機能を包括的に提供する「シングルベンダーSASE」のメリットとは?複数ベンダーの継ぎはぎSASEに課題あり

テレワークが普及し、さまざまな場所からアプリやデータを利用する機会が増えたことで脚光を浴びているのが「SASE」だ。だが、SASEの活用が進むにつれて、徐々に課題も浮上してきている。その課題とは何か。解決策はあるのか。

2023年10月17日 10時00分 公開
[ITmedia]

 コロナ禍をきっかけに、国内でもテレワークが普及した。オフィス回帰が言われるようになった今でも、出社とテレワークを組み合わせたハイブリッドワークを採用し、従業員のワークライフバランスを重視した働き方を追求する動きは継続している。

 これ自体は歓迎すべきことだが、企業にとっては新たなリスクも生じている。これまでオフィス内にいた従業員が、自宅や外出先など、多岐にわたる場所で業務アプリケーションを利用することが当たり前になった。アクセス先のアプリケーションやデータも、オフィスやデータセンターといった“閉じた”場所だけでなく、SaaS(Software as a Service)をはじめとするクラウドなどに分散している。

 さまざまな場所から、いろいろな場所にあるアプリケーションやデータにアクセスするITインフラをいかに防御するかが、今、企業の課題になっているといえる。

 その解決策としてここ数年脚光を浴びているのが、「SASE」(Secure Access Service Edge)だ。複数の機能を有するSASEを構成してセキュアなインフラを構築するために、各機能で強みを持った製品が登場してきた。働き方の変化を踏まえ、SASE導入に意欲的な企業も増えている。

 その一方で、こうした既存のSASE製品の課題が徐々に明らかになっている。その課題とは一体何か。どのようにして解決していけばよいのか。

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