ハイブリッドクラウドの3大課題を解消、データ主権／ソブリンクラウドとは何か：機密性が高いデータをどう管理すべきか

ハイブリッドクラウド移行に向けては、管理運用の手間、コスト、高機密性のデータの管理という3つが懸念点となりやすい。そこで注目されるのが「データ主権」と「ソブリンクラウド」というキーワードだ。その理由と実現方法とは？

[ITmedia]

　業種や規模を問わず、あらゆる企業が積極的にクラウドサービスの活用に取り組んでいる。企業の間で、さまざまなワークロード（アプリケーション）のインフラとしてクラウドサービスを優先して採用する「クラウドファースト」を前提としたインフラ戦略を展開する動きが盛り上がっている。

　そうした企業であっても、「パブリッククラウドオンリー」ではないのが実情だ。「Amazon Web Services」（AWS）や「Microsoft Azure」「Google Cloud」といった、複数ユーザーがリソースを共有するパブリッククラウドに、何らかの制約で移行できない、あるいは移行しにくいシステムが社内に残っているケースはよくある。自社でインフラを保有するオンプレミスシステムや、特定ユーザーがインフラを専有するプライベートクラウドを、それぞれの特性に合わせて運用しつつ、パブリッククラウドとうまく組み合わせて“いいとこ取り”をしたいと考える企業もある。

　こうしたニーズに合わせて、オンプレミスシステムやプライベートクラウドとパブリッククラウドサービスを組み合わせる「ハイブリッドクラウド」化を急速に進めた企業は、複数の課題に直面することとなった。システム運用の煩雑さやコスト抑制、とりわけ機密性が高いデータを管理する難しさ、業界ごとのデータ規則への順応は、経済安全保障への注目度が近年高まったことで特に重要視されている。これらの課題を解消し、ハイブリッドクラウドのメリットを最大限に享受するにはどうすればよいのか。