パブリッククラウドが“万能の道具”でないと周知され、オンプレミスと適材・適所で使い分けるハイブリッドクラウドの採用が広がっている。ハイブリッドクラウドのため過去の課題を解消した「オンプレミス as a Service」とは。
企業がこぞってクラウド化を推進し、パブリッククラウドの利用が広がると、その反動で「脱クラウド」「オンプレミス回帰」というキーワードに関心を寄せるユーザー企業も現れ始めた。
十分な検討をしないまま、システムのインフラとしてクラウドサービスを優先的に採用する「クラウドファースト」を推進した結果、満足できる効果を得られていない組織は少なくない。パブリッククラウドは決して“万能の道具”ではなく、業種や事業内容、設備条件によってはクラウドサービスならではのメリットが得られないことがある。こういった失敗を経てオンプレミスシステムのメリットを再考し、適切な使い分けを模索する動きが起きている。
情報セキュリティ対策や法令順守の観点に加え、データやシステムの所在を明確に管理することの重要性も問われるようになってきた。例えば2022年12月に内閣府は、国際情勢の変化がもたらす懸念に備え経済安全保障を推進する意図で、安定的な供給を確保すべき「特定重要物資」の一つとしてクラウドサービスを指定している。
とはいえ、一度クラウドサービスに移行したシステムを、旧来の完全オンプレミスシステムに戻すことは現実的ではない。既存のオンプレミスシステムの形態はそのままに、クラウドサービスのようなメリットが得られる方法はないのだろうか。最新技術を用いてもクラウドサービスへの移行が難しいシステムや、最小限のコストしか掛けられないシステムというものは存在する。このようなシステムも含めて、最適なクラウドサービスに移行する「第3の選択肢」とは。
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