ITがビジネスに直結する昨今、社会環境や顧客の変化に即応できるアーキテクチャーへのモダナイゼーションが求められている。金融、交通、電力といった社会インフラを支えるミッションクリティカルな領域も同様だ。どう手を付ければいいのか。
経営環境の変化が激しい今、ビジネスを支えるシステムには安全性と同時に、変化に即応できるアジリティが求められている。環境変化のスピードが緩やかだった時代は、システムは「一度作ったら長期間使い続ける」もので「安定運用」が第一義とされてきた。IT基盤を入れ替える「マイグレーション」もハードウェアの老朽化や事業統合などをきっかけに、コスト削減や業務効率化を目的に行われていた。
だが、システムを新しいIT基盤に“移転”するだけでアーキテクチャーが従来のままでは、今の経営環境に追随することは難しい。システムの延命はできても、ビジネスニーズとのズレが技術的負債の増大につながり、レガシーな仕組みは運用の属人化、ブラックボックス化の原因となっていく。ITが収益向上の武器となっている今、マイグレーションした上で、ニーズの変化に即応できる最新のクラウドネイティブへとモダナイズすることが求められているのだ。
アプリケーションのモダナイズ手法の一つとして、マイクロサービス化が注目されている。だが、基幹業務など巨大かつモノリシックなアプリケーションを単機能のサービス(マイクロサービス)に分割するのは簡単ではない。手法の選定に加え、技術だけでなく業務の見直しを含めたモダナイゼーションの「仕組み」を実現するための課題は多い。どこから手を付けるべきなのだろうか。
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