日本経済を支える中堅企業は、今どのような局面を迎えており、この現在地からどこへ行こうとしているのか。2023年の「IT投資動向調査」から浮き彫りとなった諸課題は、未来へ向けた戦略確立の良い指針となるだろう。
「中堅企業IT投資動向調査 2023年5月レポート」と題された本調査データは、2023年春ごろに2276社を対象に実施されたものだ。アンケートは全73項目に上り、その傾向を詳細に分析している。
2022年と比べて如実に変化している点の1つは、IT投資の軸足がモダンワークスペースから、モダンインフラストラクチャ、すなわちクラウドコンピューティング、コンテナ、マイクロサービスなどの最新のテクノロジー活用へと移っていることだ。テレワーク導入やスマートデバイス活用などの投資は一服し、IT基盤の統合・再構築、データバックアップ・保護対策などの投資増が目立った。
一方で、ITの人材不足に悩む企業は相変わらず多く、中堅企業の27.9%が「情報システム担当者1人以下」という深刻化した実態も報告されており、IT担当者の業務負荷も高止まりが続いているようだ。この他、セキュリティ対応状況や、Windows 11への対応動向、また移行しない理由など、気になる他社の判断基準にも触れられている。自社のIT投資の現在地を把握し、次なる一手を見極めるために本調査が役立つだろう。
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