クラウド全盛期になぜ「テープ」が再注目? データ管理の最前線を探る現代の「テープ」活用術

クラウドへのデータ移行が進む一方で、保管・転送コストの高さに悩まされ、「テープ回帰」を検討する企業が増えている。ストレージ戦略を見直す中で再評価される、単なるバックアップ手段ではない“現代型テープ回帰”の実像に迫る。

2025年04月24日 10時00分 公開
[ITmedia]

 テープはメインフレーム時代から長年使われてきた記憶媒体だ。大容量で、データを長期間保存しても劣化しにくく、シーケンシャルアクセス(データの先頭から順番にアクセスしていく方法)においてはディスク装置と遜色ない速度を発揮する。こうした特性から、テープは大容量データの長期保存や遠隔地での保管用途において長らく重宝されてきた。

 しかし、2011年の東日本大震災を契機に、バックアップやアーカイブの手段としてクラウドサービスの活用が急速に進む。その影響で、テープの利用は一時的に減少した。一方で、クラウドにデータを移行した企業の中からは、データの長期保存料金に対する不満の声が上がるようになった。

 さらに厄介なのが、アウトバウンド(下り)転送料金の存在だ。クラウド上のデータを企業拠点などクラウド外で利用する場合、その都度下り通信料が発生する。特にデータ量が多く、ダウンロードの頻度が高いケースでは、転送料が無視できないコスト要因となる。

 こうした背景から、データをクラウドに移行した企業の間で「テープ回帰」の動きが広がりつつある。これは、単にクラウドからテープにデータを戻すことを意味するのではない。ポストクラウド時代に再評価される“現代型のテープ回帰”について、有識者に聞いた。

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