VMwareからの移行先を選ぶ際、「既存システムが動けばいい」という発想になっていないだろうか。本当に重要なのは、AI活用をはじめとするDX戦略全体を見据えた判断だ。単なる代替ではなく、DXにつながる道筋とは何か。
BroadcomによるVMware買収やその後のライセンス変更に伴い、「脱VMware」を検討する動きが加速している。後継製品として複数の選択肢があるが、ここで考えたいのは、「自社にとって脱VMwareとは何か」という点だ。
多くの企業は「これまでVMware上で仮想マシン(VM)として稼働してきた既存システムが動く、別の器が欲しい」と考えているのではないだろうか。確かに、既存システムが動くことはもちろん必須だが、この移行を単なる「器の入れ替え」で終わらせてしまってよいのか。
重要なのは、DX(デジタルトランスフォーメーション)をどう進めたいのかという視点だ。脱VMwareはDXと無関係ではない。なぜなら、VMwareで動かしてきた既存システムを生かすことが、DXを“深化”させるために不可欠だからだ。
「DXにつながる新しいことは全てパブリッククラウド上でやる」という企業も多いが、生成AI(人工知能)の登場で潮目が変わりつつある。日本では、セキュリティやガバナンスの観点からオンプレミスあるいはパブリッククラウドとのハイブリッドで進める動きが活発化しているためだ。
「脱VMwareを、自社のDXを加速させるための促進剤にする」。こういった視点を持つと、後継基盤の選び方は変わってくる。
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