「資料に埋もれた情報を一瞬で取り出す」IT商社が実践したAIによる業務効率化例：求めていた情報を瞬時に抽出するには

大手IT商社として膨大な製品を取り扱うSB C&S。それらのリリースや更新に関する情報提供や問い合わせ対応をいかに効率化するかが、従業員の業務効率を改善する上で大きな課題となっていた。

[ITmedia]

　今日のビジネス現場において、ナレッジワーカーが処理する情報量は急増している。多くの製品を取り扱う企業では特に、技術資料やパンフレット、利用規定、製品のアップデート情報など膨大な文書が飛び交い、常に最新かつ正確な情報の把握が求められている。情報は企業のビジネスを支える一方で、適切に管理できなければ業務に支障を来す要因にもなり得る。

　この課題を解決する手段として注目されるのが生成AIだ。要約や疑問の解決などに使うことで業務が効率化する可能性があるが、導入には懸念もある。生成AIは学習データの古さやハルシネーション（事実に基づかない生成）によって誤情報が混入するリスクがある。セキュリティ面の制約から、機密情報を含む文書を社外の生成AIサービスにアップロードできないこともある。

　これらのハードルを乗り越えて生成AIの活用に挑んでいるのがSB C&Sだ。同社のマーケティング部は、新製品のリリースや機能追加、仕様変更が発生するたびに最新の情報をいち早くキャッチアップして顧客やパートナーに提供する必要がある。その活動を支援するツールとして同部は生成AIの活用をどう進めたのか、最適な生成AIサービスとして何を選んだのか。取り組みの中心メンバーに聞いた。