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ワイヤレスセキュリティに妥協なしCase Study

医療機器メーカーのネットワーク管理者ストーウェル氏は、社内ネットワークの無線化に当たり、デュアルモード型アクセスポイントとワイヤレス監視システムを取り入れたハイブリッドなセキュリティシステムを構築した。

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 ティム・ストーウェル氏は、自身の性格を「偏執症」的と表現する。

 MRI(磁気共鳴映像診断装置)などの医療装置用の大型磁石メーカーであるインターマグネティックスの社内ネットワーク管理者であるストーウェル氏は、不正なアクセスポイントや各種の潜在的なセキュリティリスクが、自社のワイヤレスネットワークに入り込むのは、なんとしても防ぎたいと考えている。

 「わたしが最も心配しているのは、不正なアクセスポイントだ。ユーザーたちはワイヤレス環境の中で自由に移動したいので、無断でアクセスポイントを設置するのだ」とストーウェル氏は話す。「会社の駐車場に人々が座り込んだりしていても、あまり気にならない」(同氏)

 ネットワークへの侵入や不正アクセスポイントの設置を防ぐため、ストーウェル氏はアルバネットワークスデュアルモード型アクセスポイントを配備した。デュアルモード方式では、このデバイスがアクセスポイントとして機能するのに加え、無線周波数帯を監視して電波干渉や不正アクセスポイントなどの有無をチェックすることもできる。

 しかし予想外だったのは、デュアルモード方式が接続性に影響するということだった。

 「監視モードに入ると、ネットワークのパフォーマンスに影響が生じた」とストーウェル氏は話す。ユーザーがトラフィック速度の低下を報告してきたのだ。

 ストーウェル氏が監視機能をオフにすると、接続性が元に戻った。

 「監視機能を停止すると、ユーザーたちは『おやっ、どうやって直したんだい?』と驚いた」と同氏は語る。

 パフォーマンスは元に戻っても、今度は監視ができなくなった。そこでストーウェル氏が目をつけたのが、ネットワークケミストリのワイヤレス監視/脅威防止システム「RFProtect Distributed」である。RFProtectは、ニューヨーク州レイサムにあるインターマグネティックスの本社に設置されたほか、フロリダ州オーランドにある同社のオフィスでも検証が行われた。ストーウェル氏は、アルバの製品を補完する目的でRFProtectを配備した。監視のために専用のツールを使用することにより、アルバのアクセスポイントは通信に専念できるようになり、監視中でもパフォーマンスに影響が出ることがなくなるからだ。

 ストーウェル氏によると、オーランドのオフィスでは、ちょっとした障害に出くわしたという。RFProtectが自動的にDHCPアドレスを取得して設定を行うのである。しかしこの問題は、手作業で設定することによってすぐに解決できた。レイサムの本社では、配備はスムーズにいった。

 「レイサムでは、予想外のトラブルは特に見つからなかった」とストーウェル氏は話す。不正なアクセスポイントなどの問題は検出されなかった。一方、オーランドでは、不正なアクセスポイントが1台あったが、簡単に見つけることができたという。RFProtectはノートPCをベースとしており、問題のある信号が発生した場所に持っていくことができるからだ。「すぐに見つかった」と同氏は話す。問題のアクセスポイントは、ネットワークにログオンしなくてもワイヤレス接続できるようにしたいと考えた従業員によって設置されたものだった。

 ストーウェル氏がもう1つの興味深い発見をしたのは、SOX法の監査チームがオフィスを訪問したときだった。同氏は、監査人たちが持ち込んだノートPC同士でアクセスポイントを介さずに通信するアドホックネットワークが稼働しているのに気付いた。ストーウェル氏によると、これはテストだと思ったという。問題を見つけるかどうか監査人たちが同氏を試しているのだと感じたのだ。だが、実際にはテストではなかった。同氏は監査人たちに尋ねると、彼らもアドホックネットワークが立ち上がっているのを知らなかった。

 「それに気付いていたのは、わたしだけだった」と同氏は話す。

 ストーウェル氏が何よりも重視しているのは安心感である。同氏は当初、ワイヤレス化というアイデアに乗り気ではなかった。セキュリティが心配だったからである。

 同氏は「しばらく抵抗した」が、ワイヤレス化を推進するという意見が大勢を占め、同氏のチームは、ワイヤレス監視システムを見つけてきた。同氏は「しぶしぶ了承した」という。

 ワイヤレス化を受け入れたストーウェル氏はその後、ワイヤレスネットワークに対する認識を新たにし、それがセキュアであることを知ったこともあり、全速力で配備を進めている。同氏によると、カリフォルニア州とウィスコンシン州にあるオフィスにもRFProtectを設置したいという。

 「本来、そこにあるべきでないものは決して認めないというのは、わたしの偏執症的な性格によるものだ」と同氏は話す。

 「セキュリティには2つの考え方がある。オールインワン型の製品を使うか、特定の機能に特化した製品を使うかということだ。わたしの場合、両方のアプローチを組み合わせたハイブリッド方式が好きだ」(同氏)

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