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プロジェクトの「複雑さ」を査定するColumn

プロジェクトを成功させるためには、そのプロジェクトの複雑さを前もって把握し、それを顧客に明確に伝えることが重要だ。

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 プロジェクトはその目的と環境によって、複雑さも大きく異なる。例えば、2種類の壁で考えてみよう。どちらも面積は30平方メートルだが、一方は幅が30メートルで高さが1メートル、もう一方は幅が10メートルで高さが3メートルだとする。これらの壁の設計と建築にかかる時間やリソース、必要となるツールは同じだろうか? どちらも同じだけのリスクを抱えているのだろうか?

 1つ目の壁の高さであれば、石工や石工職を登用する必要がないため、壁作りには足場も不要となる。そのため、1つ目の壁の方が、コストもリスクも少なく済む。2つ目の壁の方が、難しい作業となる。工事施工者は壁の高さを踏まえて、設計、材料、足場を入念に計画しなければならない。この構造では、石工らを最上部までつり上げるためのクレーンが必要となる。さらに、この壁の建築には、幅広いスキルを備えたスタッフが必要となり、背負うリスクもより大きなものとなる。

 IT事業のプロジェクトにおいては、作業の進展とともにその複雑さが明らかとなり、結局、締め切りに間に合わなかったり、予算が超過したり、顧客の期待に添えなかったりといった結果に終わる場合が少なくない。プロジェクトマネジャーがプロジェクトの複雑さを前もって把握し、それを顧客に明確に伝えることが重要だ。そうすれば、プロジェクトのコストだけでなく、必要なリソースや所要時間についても、より正確な見通しを得られることになる。

複雑さを予測する

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