Atom 1.0は、RSS 0.9xで開拓され、RSS 2.0に受け継がれた技術をさらに発展させるとともに、RSSをめぐるこれまでの混乱の深刻化を回避することを目指して進められてきた試みの成果だ。Atom 1.0は、RSSとたもとを分かち、シンプルで人間が読めるフィード用マークアップ言語を提供すると同時に、堅牢性、柔軟性、および一貫性を備えたコンテンツモデルをサポートしている。
Atom 1.0は2005年にIETF RFC 4287(IETF標準)として公開されて以来、ますます人気を集めている。以下のように、その理由はたくさんある。
- 構文がシンプルで分かりやすい。
- 多様なコンテンツとコンテンツへのポインタをサポートする。例えば、プレーンテキスト、エスケープされたHTML、整形式のXHTML、ほとんどすべての種類のXML、Base64でエンコードされたバイナリ、フィードに含まれないコンテンツへのURIポインタなどだ。これに対し、RSSはプレーンテキストと、エスケープされたHTMLコンテンツしか扱えない。
- フィードやエントリを明確に識別する。これらの識別は、一意識別子(ブログやそのほかのWebリソースのURIや、128ビットのグローバル一意識別子(GUID))、タイトル(各エントリごとに付けられる、人間が読める短い件名)、およびタイムスタンプ(最終更新日時を示す)の存在に基づいて行われる。同じフィードのソースが複数ある場合も、これらのデータ要素の組み合わせにより、どのソースが最新であり、使われるべきかが判断しやすい。
- Atomマークアップを拡張するための明確に定義されたモデルがある。このモデルでは、明確な仕様により、拡張要素を置くことが可能な場所とそうでない場所が規定され、拡張における言語依存(とxml:lang属性に影響される部分)が明確に識別され、Atomパーサやハンドラーが、マークアップ内で未知または既知の拡張を発見した場合、どのような対応を取るべきかが記述されている。
- Atom名前空間の必須および任意のメタデータ要素が、Atom仕様で明確に定義されている。メタデータ要素はフィードやエントリを記述するもので、メタデータ要素によってこれらについて提供される情報は、作成者、提供者、カテゴリ、生成エージェント、リンク、ロゴ、権利、ソース、要約、一意識別子など。
これらはAtomの主要な特徴だが、Atomには、個々のエントリが特定のフィードの外部に存在できるようにするメカニズムも統合されている。これは、フィード受信やフィードコンテンツ配信の選択肢の拡大を支援する機能だ。Atomがサポートしているこのほかの機能としては、(1)XML SchemaおよびISO-8601と互換性のあるタイムスタンプ、(2)XML Base標準を利用した相対URI指定、(3)IRI(Internationalized Resource Identifiers)とxml:langによる国際化と多言語サポートの向上、(4)改善されたアクセシビリティ機能、(5)フィード購読プロセスを簡素化するメカニズム、(6)Atom 1.0ドキュメントに対応するMIMEメディアタイプなどがある。
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