2007年末までに数々の調査を実施
Green Grid、データセンターの電力問題解決に向けたロードマップを提示
データセンターのエネルギー効率の改善を目指して2007年設立された非営利業界団体のGreen Gridは、この問題に取り組むに当たって3本柱のアプローチを打ち出した。
データセンターのエネルギー効率の改善を目指して2007年設立された非営利業界団体であるGreen Gridは、この問題に取り組むに当たって3本柱のアプローチを打ち出した。同コンソーシアムでは、2007年末までに数々の調査を実施し、データセンターの効率的運用に向けたビジョンを示したいとしている。
Green Gridコンソーシアムのメンバーで、Intelのエネルギー効率化プログラムマネジャーを務めるジョン・ハース氏は8月7日、「ITマネジャーは今日、まず何から実施すればいいかについてのガイダンスを必要としている」とWebcastカンファレンスで語った。
ハース氏によると、消費電力の問題が「メディアで大々的に取り上げられている」にもかかわらず、業界にはデータセンターのエネルギー効率を測定するための基準がまだ存在しない。現在の消費電力対策はベンダー固有、部門単位、プロプライエタリという状況だ、と同氏は指摘する。加えて、将来のデータセンターのデザインと運用に向けた「明確なロードマップ」も存在しないという。
データ収集、評価、提案
ハース氏とともにWebcastに参加したDellの技術ストラテジスト、ジョン・フルーガー氏もコンソーシアムのメンバー。フルーガー氏によると、コンソーシアムの戦略は3本の柱からなるという。
- データセンターで現場の「リアルタイムデータ」を収集する
- データセンターの運用管理者がそのパフォーマンスを評価し、同様のデータセンターと比較するためのツールを開発する
- データセンターの効率とパフォーマンスに関連した最も有望な既存技術、将来技術に向けた「最初のロードマップ」を策定する。これらの技術の評価では、ROI(投資効果)とエンドユーザーにとってのリスクを重視する
この複雑な計画の実施に向け、多数の作業部会がGreen Gridに設けられている。「その目的は、データセンターの効率を改善するのに最も有効なツールを決定すること、ツールの成熟度を評価すること、これらの技術がデータセンターで広範に採用されるためには何が必要かを判断することだ」とフルーガー氏は説明する。
11人のメンバーで構成されるGreen Gridの理事会には、Microsoft、HP、IBM、Sun Microsystems、Dell、Intel、AMDといった主要ベンダーの代表者が名を連ねている。
コンサルティング会社Gartnerの最近の報告書では、コンソーシアムのメンバーにはベンダーの代表者が多く、エンドユーザー側企業の代表者が少ないため、ユーザーにとって有益な成果を生み出せるかどうかが疑問だとしている。Gartnerによると、Green Gridのメンバーたちは、共通の標準の策定に向けて協力するのと同時に、市場での差別化につながるプロプライエタリな自社技術を開発するという「危険な綱渡り」を演じているという。「自社利益の追求が共通の利益よりも強い動機になるかもしれない」と同社は警告する。
報告書の作成に携わったGartnerのアナリスト、ラケシュ・クマー氏によると、カンファレンスでは特に目新しいニュースはなく、同グループに対する同氏の見解は従来と変わらないという。
「業界としてはこれがベストなアプローチであり、この問題で大きく前進するチャンスもある。しかし、エンドユーザーがほとんど参加していない、米国中心である、政治的影響力が弱い、といった問題がある」と同氏は電子メールでの取材に答えている。
プレゼンテーションの後で行われた質疑応答セッションでハース氏とフルーガー氏は、Gartnerの報告書で投げ掛けられた批判に対し、グループのメンバーたちは「共通の目標」と情熱を持っているとしてGreen Gridの立場を擁護した。両氏によると、たいていの標準化団体は業界のリーダーで構成されているという。
「このメンバー構成が阻害要因になるとは思わない。この構成はGreen Gridが有効に機能し、業界の変革を可能にするものだ」とハース氏は語った。Green Gridはエンドユーザーの要求に関心を抱いており、データセンター管理者の懸念に耳を傾けており、外国のメンバーも参加しており、特定の地域に限定されない処方せんを作成している、とハース氏とフルーガー氏は言う。
分析方法は──コンセントを抜いて待つ?
ハース氏は、計画中の調査の詳細について述べた。この調査の目玉となるのは、リアルタイムデータ、事実に基づいた分析、すぐに利用できる実際的なアドバイスだという。7~9月期に予定されているベースライン市場調査では、「あらゆるデータセンター管理者」が利用できる共通のベストプラクティスセットを確立するとしている。
「今日、データセンターの管理者に、どの機器が必要で、どれを予備としてしまい込んでおくかをどうやって決めているのか尋ねると、基本的に当て推量で機器のコンセントを抜き、文句を言ってくる人がいないか様子を見るといった答えが返ってくることが多い」とハース氏は話す。
「どのリソースが利用されていないかが一目で分かり、管理者がワークロードをリソースのセットに統合して大幅な効率化を実現できるようなデータセンターを目指している」(ハース氏)
データセンターの効率という問題は企業のCIO(最高情報責任者)のレベルにまで上がってきているのか、それともパフォーマンスが犠牲になる恐れがあるという懸念のために二の次になっているのかという質問に対し、両氏は大きな転換が起きていると指摘した。データセンターの管理者とITマネジャーはついこの間まで、互いに対話することがなかったが、今では「彼らが一緒にいるところをよく見かけるようになった」とハース氏は話す。この状況は「トップダウン」で起きているという。しかしフルーガー氏によると、エネルギー効率に対する関心には地域差があるようだ。電力不足が深刻な東海岸と西海岸のユーザーは、データセンターの効率改善に対する意欲が強いという。
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