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【Q&A】問題顧客を切り捨てる前に理解すべきことAsk The Expert

質問:「顧客サービスは利益の高い顧客に焦点を絞るべきか」という前回の記事を読みました。Sprintの場合、顧客への対応に関して悪しき傾向が昔からあると思います。会話と電子メールは大部分がオフショアなので特に問題です。何度も電話してくる利益につながらない一部顧客の問題が、組織的な問題を表しているのではないことを確認するためのベストプラクティスと標準的な業務手順について、詳しく教えてください。つまり、こうした利益につながらない顧客の切り捨てについて、決定権を持った部局にすべての情報を与え、顧客が言う問題は正当なものでないと判断させるためのシステムを、どうしたら導入できるでしょうか。わざわざ顧客サポートに苦情を言ったりサービスや対応を求めてきたりしない利益の高い顧客に、これはどう関係してくるでしょうか。

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 これは素晴らしい質問だ。多くの問題が含まれている。われわれが最近取り上げたSprintの問題をめぐっては、「支持する」「支持しない」の両面から多数の反響があったことは認めなければならない。だが、Sprintが正しいことをしているのかどうかという問題はさておき、今回の質問でもっと興味深い問題を取り上げよう。つまり、顧客を切り捨てる際に、それが時期尚早ではなく、不公正な観点から実施しているわけでもないと言えるようなシステムを、どうしたら導入できるかという問題だ。これは行き着くところ、マイナスの顧客を切り捨てるべきかどうかを判断するためには、その顧客が本当にマイナスなのか、それとも自分たちには当面の価値しか見えていないのかを、まず理解すべきだということだ。

 そこで顧客について幾つか把握すべきことがある。まずはその顧客の真の価値、それまでの行動から現在予想される価値だ。そして潜在的価値も理解する必要があるが、こちらを理解するのは難しく、無頓着な企業も多い。しかし、もしも潜在的価値を理解しようとするのなら、一部の銀行のように、現在はたいした収入がない大学生でも今のうちに親しい関係を作っておけば、この先40年も50年もの間、自社にとって価値が高い顧客になってくれると認識できる。従って、顧客の現在あるいは実際の価値だけでなく、潜在的な価値を理解することが重要だ。そうすれば、マイナスの顧客が本当にマイナスなのかどうかを判断できるだろう。

 このような状況で目を向けるべき点は2つある。1つは、自分たちは公正なのかという点だ。顧客が電話で苦情を言ってきた場合、正当な理由に基づく苦情なのか。もし正当な理由の場合、自分たちが組織的問題を無視しておらず、競合企業がその顧客のために問題を解決する前に、自分たちが顧客から得た情報を使ってその問題を解決しているということをどう確認するのか。顧客からしつこく電話がかかってくる場合、または顧客に対応しなければならない従業員の間でそれが問題になった場合、真の弱点は恐らく自社のビジネスモデルに存在するのかもしれない。

 自分たちが公正なのかと自問することに加え、顧客が公正なのかどうかも問い掛ける必要がある。大抵の場合、顧客は公正だ。しかし一部には、顧客が不正に会社を利用しようとしているケースもある。その場合、その顧客へのサービスに掛かる経費は誰かが負担しなければならない。その誰かとは、優良顧客だ。

 洋服を買って特別な日の装いに着用し、それを使わなかったと言って返品しようとした顧客に対し、老舗デパートのFilene's Basementは「あなたにはもう当店で買い物をしていただきたくありません」という書簡を送ったという。これは顧客が明らかに不公正だったからだ。われわれは、「顧客は不公正なのか」「自社が本当に不公正なのか」という両方の疑問を論じ尽くす必要がある。この疑問に正直に答え、顧客の真の価値と潜在的価値を理解すれば、会社にとって、そしてほかのすべての顧客にとって最善の決定を下すことができるだろう。

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