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Excel離れができないユーザーのために無理に転向せず、共存の道を

複雑な作業をもっとうまくやれるアプリケーションがあるのに、表計算ソフトから離れられない企業は多い。

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 スプレッドシートにはミスが付き物で扱いにくく、データが古くなっていることも多い。管理するのは難しく、修正には時間がかかる。計算式を1つでも誤れば、何時間分もの作業が台無しになりかねない。それでもビジネスユーザーは、表計算ソフトから離れられないらしい。

 米Ventana Researchの報告書によると、スプレッドシートの欠点はよく知られており、もっと優れた代替があるにもかかわらず、職場では多くがさまざまな報告や分析作業にスプレッドシートを使い続けている。ユーザーは単純にExcelなどの表計算ソフトに慣れ切ってしまい、乗り換える代わりに結果を受け入れる方を選んでいると、報告書は指摘する。

 調査対象となったスプレッドシートユーザー297人のうち半数が、スプレッドシートの間違いなどの問題に対処するため「かなりの」時間を費やしていると回答。それでも3分の2は、古くなったデータや不正確なスプレッドシートの修正が生産性に与える影響は最小限にすぎないと答えた。一見矛盾に思えるこの結果の原因は何なのか。

 「業務内容に日常の作業として『スプレッドシートのデバッグ』が組み込まれているからそう思うのかと、われわれは首をひねった。実際、スプレッドシートの欠点への対処を妨げている最大級の障壁は、ユーザーが仕事をする上で避けられないコストだと考えてこれを受け入れていることにあると思う」(報告書)

 スプレッドシートが適している作業もあることは否定しない。実際、報告書を執筆したVentanaの上級副社長兼調査責任者、ロバート・クーゲル氏によると、スプレッドシートはその場でデータを分析したり試作するのには最適だ。問題が起きるのは、コラボレーション環境に踏み込んだ場合だ。

 クーゲル氏によると、月末や四半期末決算といった会計処理や、複雑なビジネスインテリジェンス(BI)リポート・分析など、Excelがあまり得意としない作業にこの表計算ソフトを使っている企業が多いことが調査で分かった。報告書には特記されていないが、圧倒的に広く利用されているアプリケーションはExcelで、競合製品はすべて合わせてもごくわずかにすぎないとクーゲル氏は言う。

 「スプレッドシートの構造には欠陥がある。セルの記載内容の文脈が列とヘッダの組み合わせに示されているといったような、参照整合性を保つ手段がないからだ。列や行を挿入すると、特に複数のスプレッドシートを連携させている場合、参照整合性は破壊されてしまう」

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