EMC、性能を2倍に高めたミッドレンジストレージ「CLARiX」の新製品を発表:コスト削減、グリーンITにも貢献
EMCがミッドレンジストレージの最新版「CLARiX CX4」を発表。ハイエンド製品に強い同社だが、今後はミッドレンジ市場向けビジネスを強化するとしている。
EMCジャパンは8月6日、ミッドレンジ向けストレージの新製品「CLARiX CX4」シリーズの提供を同日より開始すると発表した。
CLARiX CX4は、同社が提供する各種ストレージ製品の中でミッドレンジ市場向けに位置付けられるもの。同社 代表取締役社長 諸星俊男氏は、同製品の販売戦略について次のように語った。
「日本市場では今後、パートナービジネスを拡大していく。そのためには、パートナー企業が独自に販売・インプリしやすいミッドレンジの製品を中核に据える必要がある。これまで弊社はハイエンド製品のイメージが強かったが、今後はミッドレンジ製品であるCLARiX CX4の販売を中心に、パートナーとの協業を強化する」
同製品は、同社の従来製品と比較し、最大2倍の拡張性とパフォーマンスを備えるという。同社 マーケティング本部 プロダクト・マーケティング部の雨堤政昭氏は、同製品の特徴について「他社のミッドレンジ向けストレージ製品はシングルコアCPUと32ビットOSが主流だが、CLARiX CX4はマルチコアCPUと64ビットOSを採用する。これにより、処理性能の向上とともにキャッシュメモリやディスクドライブの拡張性が大幅に向上した」と説明する。また、ファイバーチャネルとiSCSIの双方のインタフェースが利用できるとともに、8Gbpsのファイバーチャネルや10GbpsのiSCSIといった将来のテクノロジーにも、I/Oモジュールを追加することで柔軟に対応が可能だ。
ストレージドライブには、ミッドレンジ製品としては初めて高性能・高電力効率のフラッシュドライブ(半導体ディスク)搭載を可能にした。また、物理サイズ以上のディスク容量をアプリケーションに割り当てることができる「仮想プロビジョニング機能」を新たに搭載し、ディスク利用効率の最適化を図る。さらには、省電力SATAドライブの採用、HDDスピンダウン機能(ドライブアクセスのないときにHDDの回転数を下げる機能)などにより省電力を実現し、グリーンITに貢献するという。
同製品は、規模別に「CLARiX CX4-120」「CLARiX CX4-240」「CLARiX CX4-480」「CLARiX CX4-960」の4モデルに分かれる。価格は、ベーシックモデルの「CLARiX CX4-120」が378万円(税込み)から、そのほかのモデルは個別見積もりとなる。
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