特集/連載
現代のデータ管理に求められる水準とは:MDMの不手際が及ぼす被害
古き良き時代ならデータ管理に無頓着でいられた。しかし技術が進歩し競争が激化する市場にあって、顧客の期待は制御不能になっている。
わたしはマスターデータ管理(MDM)の不手際による被害者だ。
例えば、われわれにビジネスインテリジェンス(BI)ソフトを提供している企業が、最近もっと大きなソフト企業に買収された。この大手企業(仮にXYZ社と呼んでおく)は何年も前からわれわれに売り込みをかけては失敗していた。買収から数日たって、XYZの営業からの電話攻勢が始まった。アポイントを取り付けて電話会議やインターネット会議を開き、XYZが買収したソフトでいかに素晴らしいことができるかをわたしに説明しようというのだ。なぜか、わたしが既に顧客だということをXYZは知らなかった。既にそのソフトを持っている相手にそれを売りつけようとしてXYZが時間を浪費しているだけでも十分問題だ。その企業のデータ管理のまずさのためにわたしに影響が及んだとなれば、一層悪い。
もう1つ例を挙げると、わたしは仕事で月に何度か各地の拠点へ出張しなければならない。結果として、幾つかの航空会社とホテルチェーンの得意客になっている。以前はあるレンタカー会社の得意客でもあったが、この企業がわたしのデータを管理できていなかったため使うのをやめた。
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