家庭だけじゃもったいない? Windows Home Server日本語版のSOHO利用を検証する:Windows Home Serverの実用度やいかに?
2007年8月30日、Windows Home Server日本語版の提供が開始された。主にパワーユーザーの個人用途として注目を集めているが、SOHO利用における実用度も気になるところだ。早速、検証してみた。
Windows Home Serverとは
Windows Home Serverは、マイクロソフトが家庭・SOHO向けとして初めて発売したサーバOSだ。Windows Server 2003 R2をベースにしているが、専門知識を持たないユーザーでもサーバの管理を行うことができるように、手動による設定を極力省き、ビジュアル化された管理ツール(Windows Home Serverコンソール)が用意されているのが特徴だ。
その名に「Home」と付けられている通り、Windows Home Serverの主な用途の1つは、写真・音楽・ビデオなどのデジタルデータの管理やXbox 360との連携といった、家庭用メディアサーバだ。しかし、クライアントPCが数台設置されているようなSOHO環境での業務サーバとしても有益な機能を備えている。そこで本稿では、SOHO用途におけるWindows Home Serverの実用度を検証してみたい。
大別するとWindows Home Serverには、
- クライアントPCの自動バックアップ機能
- クライアントPCのセキュリティ管理機能
- ファイル共有
- ドライブエクステンダー機能
- リモートアクセス機能
- アドインによる機能追加
などの機能がある。
SOHOや中小企業の場合、専任のシステム管理者を置くことは困難であり、PCに詳しいスタッフが兼任するケースが多い。その場合、通常の業務をこなしながらシステム管理も行わなければならず、クライアントPCのデータバックアップやセキュリティの管理などには手が回らないことが多いだろう。
Windows Home Serverは、クライアントにWindows Home Serverコネクタソフトウェアを導入することにより、最大で10台のクライアントPCのバックアップを自動で行ったり、システムの状態が正常かどうかを監視することができる。また、クライアントPCからWindows Home Serverの設定作業を行うことも可能だ。最小限の手間でクライアントPCの保護が行えるのだから、人的リソースに余裕のないSOHOや中小企業にとって、Windows Home Serverは大きな武器になるに違いない。
Windows Home Serverのインストール
Windows Home Serverのインストーラはよく考えて作られている。Windows Server 2003のインストーラはブルーバックの文字画面で始まるが、Windows Home ServerはWindows Server 2008のようにGUI画面からスタートする。
そのまま、使用言語やインストール種別の指定、プロダクトキーの入力などを行う。それらの準備が完了したら、ファイルのコピーなど実際のインストール処理が始まる。ここからはユーザーの操作は必要なく、インストール作業が自動的に行われる。最終段階で、パスワードの入力や自動アップデートの指定などを行ったら、インストールは完了だ。
正確に測定したわけではないが、筆者の環境ではWindows Home Serverのインストール時間はWindows Server 2003よりも長いように感じた。ただし、Windows Server 2003はインストール完了後の設定作業に時間がかかるが、Windows Home Serverはインストール後の設定をほとんど行う必要がない。また、作業は自動的に行われるため、インストール中ずっとサーバ機の前に座っている必要もない。
インストール完了後は、[日付と時刻のプロパティ]ダイアログボックスの[タイムゾーン]で、場所を日本([大阪、札幌、東京])に変更する。また、ワークグループをネットワーク環境に合わせて設定する必要がある(デフォルトは[WORKGROUP])。
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