データセンターのトラブルには「備えよ常に」
停電後にサーバや仮想マシンを復旧する際の注意点
データセンターが完全に停電するようなトラブルが起きた場合、サーバや仮想マシンの復旧に役立つ「備え」を紹介しよう。
データセンターの完全な停電のようなトラブルは、絶対経験したくない出来事だ。最近それを経験し、教訓を得たのでご紹介しよう。
そのデータセンターは、本格的なUPS(無停電電源装置)システムと予備のディーゼル発電機を備えていたが、UPSのバッテリーの定期保守が行われた際に回路がショートし、そのためにデータセンター全体が停電してしまった。このトラブルを通じて分かったのは、ちょっとした準備が停電後のサーバや仮想マシン(VM)の復旧に大いに役立つということだ。
まず第1に、DNS(Domain Name System)はデータセンターで最も重要なサービスだろう。ほとんどのサーバやワークステーションは、IPアドレスの代わりにホスト名を使って相互に通信する。DNSが稼働していなければ、サーバはホスト名で通信を行うことができず、事実上相互に孤立してしまう。また、ほとんどの管理者はホスト名を使うことに慣れているため、DNSが提供されていないとサーバのIPアドレスが分からないせいでサーバに接続できない。だが、データセンターにあるすべてのサーバとそのIPアドレスをプリントアウトしておけば、DNSが使えないときに参照できて便利だ。
また、DNSサーバの仮想化は厄介な問題をはらんでいる。すべてのDNSサーバを仮想化していて、ネットワークや共有ストレージの問題からそれらがすべて起動できなくなると、DNSに依存するサーバやサービスの起動で問題が発生してしまう。少なくとも1台は物理的なDNSサーバを運用することや、1~2台のDNSサーバを共有ストレージではなくローカルストレージで運用することを考えるべきだ。
一方、VMをホストしているサーバをコマンドラインで管理する方法を心得ておくことも有益だ。所定のシステムが立ち上がるまで、GUIでサーバに接続できないかもしれない。その場合、コマンドラインはサーバの稼働状態をチェックし、VMを操作する唯一の手段になる。コマンドラインユーティリティとそのシンタックスをまとめた紙のドキュメントを用意しておくと、やはり便利だ。
サーバの再起動を適切な順序で行うことも必要だ。サーバやアプリケーション間の依存関係があるからだ。当然のことながら、ネットワークが稼働していなければ、それらのほとんどは正常に機能しない。また、VMをホストするために共有ストレージを利用するサーバにとっては、SAN(Storage Area Network)も重要だ。さらに、WindowsサーバはDNSサーバやドメインコントローラが稼働していないと、起動に非常に時間がかかる。
サーバやアプリケーションを再起動する際の一般的な順序は、以下の通りだ。
- ネットワーク
- SAN
- DNSサーバ
- DHCPサーバ
- データベースサーバ
- アプリケーション/Webサーバ
ボーイスカウトのモットーにあるように、「備えよ常に」というわけだ。ちょっとした準備と計画が、円滑な復旧を図る上で大きくものをいう。
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