ソフトウェアのプロジェクト管理に「実験」の余地を:結果は予測できない
とにかく試してみることだ。それで正しい方向に向かえば、さらにやってみる。もしできなければ、別のことをやればいい。
毎週何千ものプロジェクトが頓挫していくのはなぜだろう。わたしたちは自分のプロジェクトとその環境で何が起きているかがつかめないのに、まるで未来を予言できる超能力があるかのように振る舞っているのが現実だ。われわれは愚か過ぎて現実が理解できない。
ではどうしたらいいのか。ガントチャートが作成できないというのなら、何が残っているのか。
作りたければガントチャートを作ればいい。問題なのはチャートではない。現実がそのチャート通りに進むと考えてしまうあなただ。言っておくが、チャートはただのコミュニケーションの道具にすぎない。ただのアイデアであって、不可侵なものでも何でもない。
自分も人間だと認めていいのだ。タスクが最終的にどうなるのかはっきり分からないからといって恥じることはない。とにかく試すこと、実験すること、試行錯誤だ。とにかくやってみて、どうなるか見極めることだ。それで正しい方向に向かうことができれば、さらにやってみる。もしできなければ、別のことを試せばいい。
この解決策は実に単純だ。しかしどうも、「実験すること」は魅力を失ってしまった。「マネジメント」は不確実性を許さない。クオリティばかりあげつらう風潮も、「欠陥ゼロ」「最初からうまくやる」といったたわ言ばかりで助けにならない。これはただ、着手する前に考える必要があるという意味であり、やり直す必要がある人間はみんなダメだという意味ではない。フレデリック・ブルックスでさえも、著書『人月の神話』の中で「従ってマネジメントの問題は、試験システムを構築してそれを捨てるかどうかではない。とにかくやることだ」と書いている。捨てるために計画しろというのがブルックスのアドバイスだ。
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