特集/連載
ソフトウェアテスターは孤立無援ではない:被害者意識は捨てよう
テスターが「チームの誰も自分を助けてくれない」という被害者意識にとらわれると、アプリケーションの品質に影響しかねない。
最近担当したセミナーの休憩時間に、ある受講者が別の受講者にこう話しているのを小耳に挟んだ。
:テスター ひどい話だ。自作した自動テストスクリプトが全部壊れてしまってツールが使えそうにない。開発者がSSL(Secure Sockets Layer)を有効にしたからだ。これじゃ週末もずっと働かないと。
盗み聞きは良くないことだし、人の会話に横から割り込むのはなおさらだというのは承知している。だが、わたしは講師なので許してもらえるだろうと考えた。それに口を挟まずにはいられなかった。
:わたし スクリプトによるテストが終わるまでSSLを無効にしたらどうですか? 機能テストのスクリプトですよね。スクリプトを使ったテストが終わったら、SSLの有効化によって機能に支障が起きないかを抜き取ってチェックすればいいです。
:テスター われわれにはできません。
:わたし 何ができないのですか?
:テスター SSLを無効にすることができません。
:わたし 大丈夫、簡単です。Webサーバの種類によりますが、恐らくUI画面で「はい」を「いいえ」に変えるか、.iniファイルで「1」を「0」に変えるだけで済みます。
:テスター いや、われわれにはできません。
:わたし (戸惑って)サーバにアクセスできないということですか?
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