日本オラクルは2月3日、Webアプリケーション向け品質管理ソリューション「Oracle Application Testing Suite」の導入促進を目的としたコンサルティングサービスの提供を開始した。リリース前のシステムの性能検証に必要なテスト計画やテストスクリプトの策定、その実施をオラクルが支援する。
Oracle Application Testing Suiteは、Webサービスとの連携の負荷を検証する「Oracle Load Testing for Web Applications」、機能・回帰テストを自動化する「Oracle functional Testing」、テスト工程管理ツール「Oracle Test Manager for Web Applications」の3つで構成される。
今回発表されたサービスは、カットオーバー後のシステム障害防止と検証コストの削減を目的として、Oracle Application Testing Suiteを使用したテスト方針の策定と標準化、その実施を支援するというもの。10画面のテストシナリオ3本、テスト監視サーバ10台までを基本パッケージとして、最大2回の負荷テストを実施してボトルネック分析などを行う。オラクルではサービスの提供期間を10営業日からと想定している。サービスの提供価格は200万円からで、オラクルのサポートサービス契約者が対象となる。
また同社は、Load Testingの1指名ユーザー当たりの提供価格が3月24日から1万900円に変更することも発表した(従来価格は4万3500円:いずれも税込み。最小構成は200ユーザー)。
日本オラクルのシステム事業統括本部System&Application Managementビジネス推進本部セールスディレクター、山岡英明氏は「1%のプログラム修正でも、テストは100%行う必要がある。特に、外部のWebサービスと連携するWebアプリケーションでは、その修正の影響範囲の把握が困難で、検証に必要なテスト工数は開発初期段階から増加し続けている」と説明した。また「テストが足かせとなってWebアプリケーションの品質を維持できていないのが現状」と語り、その解決策として「テストツールの導入は必須である」とツール導入の必要性を強調した。
同氏によると、ユーザーは初期導入コストを考慮して手動によるテストの実施を検討しがちだという。しかしテスト管理や自動化、性能管理などをツール導入によって効率化すれば「アプリケーションのライフサイクル全体でとらえるとコスト削減のメリットは大きい」。
オラクルは同時に、オラクルユニバーシティがOracle Application Testing Suiteの各製品に関する教育プログラムを開始したことも発表した。山岡氏によると「ここ10年の間、開発の効率化が強く求められ、開発期間の短縮化や既存資産の再利用、標準化などが進んできた。しかし、テストの効率化は二の次になってしまい、必要なテストノウハウが不足している」という。教育プログラムは、テスト人員の専任化促進の施策としても活用できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.