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前年比2倍以上の普及率、レセプト請求オンライン化の現状“医療のIT化”最新動向 第5回

全医療機関を対象にした義務化は撤廃されたが、レセプト請求をオンラインで実施する医療機関は着実に増えている。今回は、その進ちょく状況などの調査結果を基に、今後の動向を考察する。

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 レセプト請求のオンライン化に関する状況は、この1年間で目まぐるしく変化した。最も影響を与えた出来事といえば、2009年8月の政権交代だろう。2011年度までにオンライン化を「原則」とする方針は残されつつも、レセプトコンピュータ(以下、レセコン)未導入の施設に対しては例外措置が取られることになった。そのため「全施設におけるオンライン請求の義務化」という当初の目標はなくなった。

 しかし、レセプト請求のオンライン化は着々と進んでいる。2010年3月31日時点でオンライン請求参加施設は医科・歯科・調剤合わせて8万891施設となり、1年前の3万7757施設(2009年3月31日時点)の2倍以上になった。この状況下で、レセプト請求のオンライン化を含めた“医療分野におけるIT推進”の動きは今後どうなっていくのか。医師会や診療所、病院、ベンダーを取材してきた連載の最終回として、本稿では市場調査会社シード・プランニングの調査結果を基に、政策と企業の動向を交えて考察していく。

レセプトオンライン化の現状

 まずは、2009年3月から2010年3月までのレセプト請求オンライン参加施設数の推移を見てみよう(図1)。図1では、医科診療所の参加施設数が最も多い。しかし、施設別の普及率を見ると、極端な差があることが分かる(図2)。

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図1:レセプト請求オンライン参加施設数。歯科については絶対数が少ないため、図では表示されていない
2009年3月〜2010年3月までの1年間の推移
2009年3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 2010年1月 2月 3月
400床以上病院 761 766 772 775 779 781 783 788 789 793 797 798
400床未満病院 3301 4356 5678 5918 6062 6202 6359 6579 6945 7133 7211 7281
医科診療所 3948 4709 5465 6506 7599 9140 11113 13518 16274 20666 22776 24638
調剤 29747 36511 43818 45041 45554 46054 46432 46864 47400 47750 47816 47908
歯科 0 0 0 0 0 0 0 17 42 92 151 266
合計 37757 46342 55733 58240 59994 62177 64687 67766 71450 76434 78751 80891

 2010年3月31日時点におけるレセプト(診療報酬)請求のオンライン化の進ちょく状況を全医療機関で見てみると、22万1475施設のうち8万891施設がオンライン請求に参加しており、普及率は36.5%と全体の3分の1程度である。

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図2:レセプト請求オンライン参加施設の割合

 病院と調剤については9割以上の施設に普及しているが、診療所では27.8%、歯科では0.4%(266施設)とまだ普及率は低いのが現状である。それでも、1年前の2009年3月31日時点と比較すると、診療所の参加施設数は3948施設から2万4638施設と6倍以上になっている。この増加には、レセコン購入のための助成金が寄与していると考えられる。

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