仮想化技術の活用がWindows 7移行の鍵:企業デスクトップをWindows 7に移行するための5つのポイント(後編)
企業環境において、全てをWindows 7に対応させるのはコストが掛かり過ぎる。適切な検討による優先順位付けと、「Windows 7に対応させずに済ます」方法が必要だ。ここでは仮想化技術が役に立つ。
前編「Windows 7移行に伴うOfficeデータ改変が法令違反に?」では、Windows 7への移行に際してまず検討すべきポイントを2つ紹介した。今回は、残り3つの重要なポイントについて解説する。移行コストや期間を最小化するためには、優先順位を適切に設定すること、Windows 7に対応させるのが難しい(コストが掛かり過ぎる)要件をいかに解決するかが重要になる。
3. 移行作業とアプリケーションの優先付け
CMDBあるいはインベントリデータベースは、ワークフロー、構成管理ツールとしても利用できる。移行プランでは、業務部門にとって重要なアプリケーションの優先順位とIT部門の作業負担との間でバランスを図る必要がある。
主要なアプリケーション(ならびに関連する全てのコンポーネントと連係機能)を把握する必要もある。データマイニングを実施することで、複数のアプリケーションに共通のコンポーネントが明らかになるだろう。大半のアプリケーションに必要なコンポーネントを最初に修正・検証しなければならない。また、業務上特に重要な時期も考慮に入れる必要がある。例えば、四半期末あるいは年度末に会計アプリケーションの新バージョンを配備するといったことは避けるべきだ。
「青信号」のアプリケーション(Windows 7あるいはOffice 2010に対応すると判定されたもの)については、直ちにパッケージングとテストを実施すべきだ。「黄信号」のアプリケーションについては、業務での重要度、組織の相互依存関係、コンプライアンス要件などに基づいて優先順位を決定する。この判断に際しては客観的な指標を作成し、さらにこのリストを主観的な視点からも見直し、優先順位が業務上合理的であるかどうかを確認する。
修正オプションが用意されていないプログラム(ラッパーアプリケーション──Microsoft用語では「shim」など)や仮想化、全面的なリプレースの対象となるアプリケーションを早急に特定する必要がある。これらのアプリケーションは修正に最も多くの時間を要し、最も高い費用が掛かる可能性が高い。プロジェクト管理室(PMO)のガバナンスモデルには、全ての非正規作業とそれに関連するコストを担当する評価委員会を含めるべきだ。
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