仮想化の成功にメモリ不足の解消が有効 〜最新アーキテクチャで変革:x86サーバ仮想化の勘所
サーバ仮想化に取り組む企業にとって、CPUの利用率低下は非効率な投資を招く深刻な問題だ。IBMは第5世代のアーキテクチャ「eX5」を開発し、最新の2ソケットx86サーバで変革をもたらそうとしている。
先頃発表されたIT調査会社の発表によると、2010年の国内サーバ市場はリーマンショック以後の景気後退の影響から抜けきれず、依然縮小傾向にある。その中で、仮想化の主役であるx86サーバの出荷台数は3年ぶりの前年比増と堅調な伸びを示しているという。
投資意欲を支えるのは、拡張性とコストパフォーマンスに優れ、2つのCPUが搭載できる2ソケットタイプのx86ラック型サーバである。データベースサーバやファイルサーバの他、仮想サーバのスタンダードとして広く活用されている。
しかし、その多くが最適化されていないという実態が浮き彫りになった。米国の調査会社によると、仮に100台のサーバを稼働している場合、一般的にそれらのCPUリソースはわずか10%程度しか使われておらず、残りの9割が有効に活用されていないという。
その原因には、インテルの技術的革新のスピードが背景にある。この10年で約80〜100倍もの性能向上を達成したCPUに対し、メモリの容量が絶対的に不足しており、2ソケットのCPUのポテンシャルを使い切る前に性能の限界を迎えてしまう。そのため、仮想化でサーバの集約率を高め、CPUの利用効率を上げようとする投資効果も頭打ちの状態にある。
各メーカーがその打開策に行き詰まりを見せる中、IBMは第5世代Enterprise X-Architecture「eX5(エックスファイブ) アーキテクチャ」(以下、eX5)を開発し、メモリのボトルネック解消に成功。その技術を採用した2Uラック型の2ソケットサーバ「IBM System x3690 X5」(以下、System x3690 X5)が高い評価を受けている。本稿では、eX5とSystem x3690 X5について詳細に見ていこう。
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