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ライセンス更新やリプレースを契機にクラウド移行を決断3社の事例から見えるクラウド移行の実際【前編】

クラウドへ移行する企業にはどのような戦略的決断があるのだろうか。前編では、ライセンス更新やリプレースを契機にクラウド移行を実施した2社の事例を紹介する。

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 3社の企業が、それぞれ異なる方法でクラウドコンピューティングに移行する方針だ。そのうちの2社は信頼と必要性に基づいて判断を下し、残りの1社はより先進的な考えに基づき判断を下している。ただし、その根底にある考えは3社とも同じだ。その考えとは、「同じコストを掛けるのなら、より多くの成果をもたらしたい」というものだ。

始まりはPeopleSoftのOracleによる買収だった

 米Springfield Medical Clinicにとって、クラウドサービスを使うというのは難しい選択ではなかった。何年にもわたり同クリニックと提携関係にあったアプリケーションホスティングプロバイダーの米NaviSiteが、スケーラビリティ、セルフサービス、オンデマンド、マルチテナンシーなど、クラウドの評価基準を全て満たすサービスをスタートさせたのだ。となれば、それを使用するのに特別な理由などいらない。「コストを削減し、管理の手間を軽減できるから」というありふれた理由で十分だ。

 「クラウドコンピューティングは、どれだけコスト効率が高いかという点だけからしても、われわれにとっては実に魅力的な存在となっている」とSpringfield Medical Clinicのアプリケーションマネジャー、ブラッド・ウォレス氏は言う。

 同クリニックは2004年、米PeopleSoftのアプリケーションがライセンスの更新時期を迎えたのを機に、米Surebridge(NaviSiteが買収したマネジメントサービスプロバイダー)が提供するホスティングサービスを利用するようになった。当時、PeopleSoftは米Oracleによる買収提案を受けて混乱のさなかにあったため、PeopleSoftのアプリケーションをアウトソーシングしつつ仕事環境を維持するというのは非常に妥当な判断と思われた。

 「アップデートやパッチなど、オーバーヘッドもばかにならない」とウォレス氏は言う。

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