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メール誤送信防止の決め手は「止める」「見る」「守る」事例から学ぶメール誤送信対策

コミュニケーション手段として欠かせない存在となったメールは手軽さがウリだが、誤送信による情報漏えいの危険性は常に付きまとう。メール誤送信をいかに防ぐか。調査結果や事例を基に対策の勘所を探る。

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 たった1通のメールで懲戒解雇に――。民間調査機関である労務行政研究所が2010年6月に発表した資料によると、社内の機密データを社外に漏えいさせた場合、85.4%の会社が「社内処分の対象とする」と答えており、「懲戒解雇にする」と答えた会社も3%ある。日々利用するビジネスメールも、扱い方次第でこうした危険が自身の身に迫るのだ。

 本稿ではメール誤送信の傾向と対策を、現場の声を基に紹介したい。

後を絶たないメール誤送信事故

 「本来ならばBccで受信者に隠しておくべきメールアドレスを、誤ってCcに記載して送信してしまった」「重要なファイルを、誤ってメールに添付して送信してしまった」――。こうした送信者の不注意によるメール誤送信が頻発している。誤送信が発生した企業の担当者に話を聞くと、「対策はしていたはずなのに、不十分だったのだろうか……」と後悔しきりだ。

 企業が実施する一般的なメール誤送信対策は、メールの送信ルールの作成だ。例えば、「メールは機密性を完全に保てないので、機密情報をメールで送るのは避ける」「メールは信頼性が完全ではないので、遅配や紛失の可能性がある」といったメールの基本的な考え方に関するルールを作成する。それに加え、「大きなファイルを頻繁に送信しない」「HTMLメールではなくプレーンメールで送信する」といったマナーに関するルールも設ける。必要となるルールは業種/業態によってさまざまだが、ビジネスでメールを利用する企業は、何かしらのルールを策定しているのが一般的だ。それにもかかわらず、メール誤送信による事故は後を絶たない。

規定やルールで防ぐには限界

 なぜ、メール誤送信による事故がなくならないのだろうか。その1つには、メールに関する社内規定やルールが、必ずしも従業員の行動を統制できていない、という事実がある。1例を挙げよう。当社の独自調査によると、社内のプライベートメールを禁止するという規定がある企業は、回答企業の9割近くに上る。だが規定があるにもかかわらず、勤務中に社内プライベートメールの経験がある人は、実に54.2%に達した。規定だけでは従業員にルールを守ってもらえないことを如実に示す結果だといえる。

 実際にメール誤送信が発生した企業においても、上記と同様のことが当てはまる。

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