企業が考えるスマートデバイス導入効果と使いたいアプリは?:「スマートデバイスでのアプリ利用」に関する調査リポート
実際のところ、ユーザー企業はスマートデバイス導入のメリットをどのように考えているのだろうか。企業が考える導入効果と、スマートデバイスで利用中、今後利用したいアプリケーションを聞いた。
TechTargetジャパンは2011年9月29日から10月7日、会員を対象に「スマートデバイスでのアプリケーション利用」に関するアンケート調査を実施した。2011年6月に行った「企業のスマートデバイス利用」に関するアンケート調査では、デバイス導入時の懸念点などを中心に尋ねたが(関連記事:44.6%の企業はスマートデバイス導入も、「端末の紛失・盗難」に不安)、今回の調査では読者が「スマートデバイスを使って企業で具体的に何をしたいのか?」を明らかにすることを重視した。
なお、本調査の回答者属性は、スマートデバイスを「既に導入している」回答者は24.1%、「導入を検討している」回答者は32.4%である。また、スマートデバイス導入済み企業における利用部門は「情報システム部門」(59.6%)が最も多く、次いで「営業部門」(44.2%)、「経営者・役員」(42.3%)となった。
調査概要
目的:TechTargetジャパン会員の企業におけるスマートデバイスでのアプリケーション利用動向について調査するため。
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2011年9月29日〜10月7日
有効回答数:216件
※回答の比率(%)は小数点第1位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100%にならない場合があります。
スマートデバイスのアプリ利用は情報系アプリがけん引
スマートデバイスを導入済みの企業はどのようなアプリケーションを利用しているのだろうか。業務アプリケーション分野では、「販促支援」(25.0%)、「勤怠入力などの人事管理」(17.3%)、「営業日報作成」(15.4%)が比較的多い結果となった。一方で、情報系アプリケーション分野では「電子メール」(76.9%)、「グループウェア」(57.7%)、「スケジュール管理」(55.8%)が多く、この3つに関してはスマートデバイス導入者の過半数以上が利用していることが分かった。
また、スマートデバイス導入済みおよび導入予定者に聞いた今後利用したいアプリケーションは、情報系アプリケーション分野では「電子メール」(54.9%)、「グループウェア」(54.1%)、「スケジュール管理」(54.1%)に続き、「文書共有」(41%)が多く挙げられた。業務アプリケーション分野では「販促支援」(38.5%)、「営業日報作成」(30.3%)、「顧客情報管理」(30.3%)となっており、スマートデバイスで利用している、今後利用したいアプリケーション共に、情報系アプリケーション分野のニーズが高いことが分かる。
企業が考えるスマートデバイス導入の効果は?
スマートデバイス導入で効果があると思う項目については、「顧客への迅速な対応」(58.3%)、「社内の業務処理の改善・迅速化」(55.1%)、「社内コミュニケーション・情報共有の向上」(48.1%)が多く挙げられた。一方で「売り上げ・利益の増加」に効果があると答えたのは10.2%となっており、この質問で選択肢として挙げた項目の中で最も少ない結果となった。
また、スマートデバイスを導入する予定がない回答者に、導入しない理由を尋ねた結果、最も多い回答は「費用対効果が明確でない」(53.4%)となった。次いで「紛失・盗難による情報漏えいが不安」(49.3%)、「デバイスの管理が難しい」(35.6%)となっている。先述の「スマートデバイスで効果があると思う項目」と併せて見ると、売り上げや利益に直結する具体的な効果をイメージでき、かつセキュリティや管理の不安を克服できれば、企業におけるスマートデバイスの導入は加速すると考えられる。
詳細なアンケート結果は、以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。
本稿では紹介しきれなかったさまざまなアンケート結果とともにアンケート回答者の詳細な属性を紹介している。ぜひ参照されたい。
【主なリポート内容】
スマートデバイスの導入状況、スマートデバイスを利用している部門、スマートデバイスで利用している業務アプリ、スマートデバイスで利用している情報系アプリ、スマートデバイス導入で効果があると思う項目、スマートデバイスを導入しない理由、Web会議で利用したい端末、など(計45ページ)
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