特集/連載
クラウド事業者がサービスを中止する5つのケース:クラウドガバナンス現在進行形【第6回】
契約しているクラウド事業者が、犯罪行為や経営状況などの事情で利用者にサービス提供できなくなった場合について考える。
今回で2011年版の経済産業省企業IT動向調査を引用するのは最後になるので張り切って引用してみたい。同調査によると、企業利用者の30%がサービス提供中止の可能性を懸念し、21%がデータ破損・消失に不安、20%がトラブル発生時の問題判別に困難を、そして16%が補償内容に不安を感じている。実際に起こったサービス提供中止事例を挙げながら、いざその時が来ても慌てずに済むための方策を考える。
連載:クラウドガバナンス現在進行形
第1回 “オレオレクラウド”にはこりごり、クラウドの本質を知る
第3回 クラウドは安全か? 事業者との責任分界点、注目すべき安全基準とは
第4回前編 クラウドはオンプレミスとデータ連携ができる? どうなる連携コスト
第4回後編 クラウドが直面する各国の法制度 〜パトリオット法の影響とは?
第5回 クラウドの応答性能とサポート品質を客観的に比較するには
クラウド事業者がサービス提供を中止する5つの理由
さて、今回は契約しているクラウド事業者が、何らかの事情で利用者にサービス提供できなくなった場合について考える。ここで想定しなければならない事態は大きく分けて5つに分類できる。
- クラウド事業者またはその事業所(DC)所在国の政治状況や法令変更などが原因の場合
- クラウド事業者の事業者(DC)所在地での天災発生の場合
- クラウド事業者の経営状況が原因の場合
- クラウド事業者の技術が原因の場合
- 犯罪行為が原因の場合
1はカントリーリスクの問題、2はディザスタリカバリの話なので、これらの問題については別途論じることとし、残る3〜5の問題を本稿で扱うこととしたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.