SMB向けストレージ製品紹介:日本IBM
ストレージの利用率向上を階層型プールで実現する「IBM Storwize V7000」
現在、ストレージの利用率向上を課題に抱えている企業は多い。「IBM Storwize V7000」は階層型プール方式によるデータの動的再配置などでその課題解決を支援する。
転換期の今はストレージの効率化が大きなカギ
米IBMの調査によると「企業ストレージの容量は年率約60%で増加しているにもかかわらず、ストレージへの投資予算の増加は1~5%にとどまっている」という。また、2010年以降、ディスク容量の伸び率や価格の下落傾向なども鈍っており、ストレージに必要な予算は相対的に増大している(関連記事:5~15%の価格引き上げも――ストレージベンダーのHDD供給不足への対応)。
「ディスク技術が転換期を迎える今、当社ではストレージの効率化が大きなカギになると考えている」と語るのは、日本アイ・ビー・エム システム製品テクニカル・セールス ストレージ・テクニカル・セールス ソリューション担当部長の佐野正和氏だ。
佐野氏は、ストレージ効率化の具体的な方法として以下の3つ条件を示す。
- データの適切な場所への配置
- ストレージ資源の使用率向上
- 物理データ容量の削減
今回、紹介するミッドレンジストレージ「IBM Storwize V7000」(以下、Storwize V7000)は、階層化機能によるストレージ仮想化でストレージの効率化を実現する製品だ。
階層プール型方式を採用
ストレージの投資効率を向上させる方法として、ストレージを統合してプール化し、システム間で共有する運用が考えられる。プール化によって未使用領域の有効活用やパフォーマンスの最適化が可能になる。プール化を実現する方法には2種類ある。
1つは、単一のストレージを仮想的に分割して利用する「単一プール型」。階層構造を持たず、全てのデータを平準的に格納することで運用容易性を重視している。もう1つは、異なる種類の複数のストレージを階層化し、仮想的に統合する「階層プール型」。データの重要度に応じて格納先のストレージを変える方式だ(関連記事:情報ライフサイクル管理(ILM)を支える階層型ストレージ)。
佐野氏は「どちらが優れているわけではなく、企業の特性を考慮して選択することが望ましい。予算に余裕がある大企業では手間がかからない単一プール型を選択することが多い。中堅以下の企業では、コストを削減することを主眼に置いて階層プール型を採用する傾向にある」と分析する。
Storwize V7000では、「高速プール」「通常プール」「大容量プール」などを組み合わせたストレージプールを構成する階層プール型方式によるストレージの仮想化を実現している。参照頻度が多いデータは高速プールへ、アクセス頻度が少ないデータは通常プール、大容量プールなどへと透過的に移動させる。Storwize V7000ではストレージ階層化機能の「IBM System Storage Easy Tier」(以下、Easy Tier)技術によって、それを可能している。
「Storwize V7000はミッドレンジストレージでありながら、IBMのハイエンドクラスストレージの優位点を併せ持つ製品」と佐野氏は説明する。
Storwize V7000は、SAN(Storage Area Network)とNAS(Network Attached Storage)に対応する。同社の「IBM System Storage SANボリューム・コントローラー」の階層型仮想化技術を取り入れるとともに、Tireless型のハイエンド向け「IBM XIV Storage System」のGUIを取り入れ、さらには「IBM System Storage DS8700」のEasy Tierや異機種混合ストレージ環境における階層型ストレージ技法、RAID構成などを継承している。
パフォーマンスを上げつつコストを抑えることも可能
Storwize V7000では、Easy TierによってSSDやSAS HDD、ニアラインSAS HDDなどを自由に組み合わせてデータを格納する。また、外部に設置したディスクプールを接続することで、最大2048個のボリュームの作成が可能だ。さらに、高速ディスク上でストライピング数を増加したり、低価格のディスクにデータをまとめて低コストに利用するなど、システムが稼働中でもデータベースの構造を変更せずにパフォーマンスをチューニングできる。
管理者は、GUIもしくはコマンドによってLUN(論理ユニット番号)ごとのディスクイメージを他のストレージプールへ移動して配置できる。一般的なDBMS(データベース管理システム)でもこうした動的再配置は可能だが、サーバリソースを使うためCPUへの負荷が大きい。Storwize V7000はサーバを経由しないため負荷を与えず、データベースのパラメータを変更せずに自由にストライピングを増加させるなどのチューニングが可能だ。
150種の接続検証済のディスクシステムを公表
Storwize V7000がサポートするサーバ、外部接続ディスク装置は約150種(2012年4月現在)。IBMがその全ての接続性を検証してWebサイト上に公表している。Storwize V7000を新規導入した際、移行機能によって既存のストレージシステムを止めずにデータ移動が可能だ。既存のストレージを使い続けられるため、過去の投資が無駄にならない。
「Storwize V7000にSSDのみを搭載し、外部のディスクプールをStorwize V7000の管理下に置くようにすれば、安価なストレージを採用しても、その処理性能は確保できる」(佐野氏)
その他、Storwize V7000では、ストレージリソースを仮想化してアプリケーションに割り当てることで実際に使用するストレージの物理容量を削減する「シンプロビジョニング」機能、高速コピーを実現してデータバックアップや開発テスト、検証作業などアプリケーション稼働中に並列処理できる「IBM FlashCopy」機能なども搭載されている。これらを組み合わせることで、複数バージョンのスナップショットやバックアップや復元をポリシーベースで自動化したデータ保護ソリューションを構築できる。
勘と経験だけでないシステム構成を提案
佐野氏によると、ストレージベンダーによるサーバに対するディスクの構成提案は、勘と経験による部分が多いという。「必要な容量は積み上げで計算できるが、パフォーマンスレベルは立ち上げてみないと分からない。そのため、必要以上の高速化や安定性を見積もりがちで、結果的に過剰な投資につながる」(佐野氏)
IBMでは新規導入するディスクのパフォーマンス予測を行うシミュレーションツール「Disk Magic」を活用し、実際のシステム構成を想定した能力の予測値を導き出している。
「多くの顧客事例がDisk Magicのデータベースに蓄積されていくので、精度が日々向上し、パフォーマンス予測の信頼性では定評がある。経営層への説明材料にもなる」(佐野氏)。Storwize V7000導入時に搭載ディスクの種類や割合などを選択する材料になり、無駄のない投資を支援している。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 筺体サイズ | 2U(ラックマウント型) |
| 対応ドライブ | ニアラインSAS、SAS、SSD(3.5型、2.5型) |
| 最大ドライブ数 | 480(クラスタ構成の場合) |
| 最大ストレージ容量 | 720Tバイト(クラスタ構成の場合) |
| 対応RAID構成 | RAID 0、RAID 1、RAID 10、RAID 5、RAID 6 |
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