BI製品紹介:日本ユニシス
顧客分析や需要予測に効果を発揮する国産データマイニング「MiningPro21」
大量のデータに潜む相関ルールや頻出パターンを自動的に分類・解析することで、隠れた有用な関係性を抽出するデータマイニング。日本ユニシスは20年以上前からその有効性を訴えてきた。
20年以上の歴史を持つ国産データマイニングツール
企業における情報活用は、戦術や戦略を基にした具体的な経営計画(期間計画・目標)を策定(Plan)し、それを販売や生産活動につなげ(Do)、その結果となる実績を正しく測定して評価(Check)した上で、補正を重ねて新たな戦略・戦術につなげる(Act)というPDCAサイクルを繰り返して活動する。そのためには、正確な情報を適切な人や組織へタイムリーに提供し、意思決定を迅速に行うための情報活用システムが不可欠となる。
情報活用システムといってもさまざまな要素があり、本連載で取り上げているBI(ビジネスインテリジェンス)もその1つだ。分析ツール(統計分析、多次元分析、データマイニング)やモニタリングツール(ダッシュボード)、リポーティングツール(定型、非定型、バッチ)などの各種機能が最近特に重要視されるようになってきた。
今回は、国産のデータマイニングツールとして1999年に登場し、長年活用されている日本ユニシスの「MiningPro21」に注目してみたい。
データマイニングとは、企業に大量に蓄積されるデータの集合の中に潜む相関ルールや頻出パターンなどを自動的に分類・解析することで、明示されていなかった関係性や有用な仮説を抽出・発見する技術だ。
MiningPro21は日本ユニシスが独自開発したデータマイニングツールで、「基本分析モジュール」「文書マイニング・システム」「需要予測システム」の3つのモジュールで構成されている。日本ユニシス 総合マーケティング部 サービスビジネス企画室 インフォメーションマネジメント企画グループの野登泰宏氏は、「日本ユニシスが1980年代から手掛けてきた通販業界のノウハウを投入し、統計解析の知識を持つ専門家だけではなく、業務現場のビジネスユーザーにも活用できるように工夫されている」と説明する。
基本分析モジュールに備わる4つのマイニング機能
まず、「基本分析モジュール」は、データマイニングを行う上でスタンダードに利用されるデータ加工やクロス集計の他、クラスタリング、予測モデル作成などの解析機能をピックアップして搭載する。具体的には以下の4つのマイニング機能を備える。
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| 分類 | 一般にクラスタリングと呼ばれる機能。データサンプルを幾つかのグループに分けて似通った性質を持つ集まりに分類することで、例えば顧客別、年代別の購入傾向を把握する場合などに利用する |
| 予測 | 過去の購入履歴や訴求時のレスポンスなどの情報を活用。連続量の予測やYes/No(二値)による判別で顧客の点数付け(スコアリング)を行うことでランキングを作り、購買予測に基づく訴求方法を検討する |
| 判別 | サンプルデータをデシジョンツリー(決定木)形式によって分割し、ビジネス活動において有益でより効果的なグループを探し出す。例えば、カード会社の与信などで貸し倒れしやすい人物グループを特定する際にも利用できる |
| 相関 | 2つ以上の事象の関連性を分析し、異なる事象の可能性を導き出す手法。よく知られているのはバスケット分析やシーケンス分析など |
テキスト化された顧客の声を自動的に分類・判別
「文書マイニング・システム」は、コールセンターやアンケートなどで“顧客の声”として収集したテキストデータを自動的に分類・判別し、ビジネスに結び付く隠れたヒントや気付きを浮き彫りにする。
通常、顧客の要望や意見、クレームなどの自由記述文書は人手で分類・集計作業を行う必要があり、相応の手間と時間がかかる。そのため、大量の文書情報を判読して仕分け、それをタイムリーに有効活用するのは難しかった。「MiningPro21のテキストマイニング機能では、同様の内容や出現する単語の組み合わせで文書を自動分類する他、特定の表現による文書の自動判別も可能になり、多彩な集計や分析を迅速かつ正確に実現できる」(野登氏)
具体的には、おおまかなカテゴリに文書を分類し、質問、要望、苦情などのレベルに応じて不満度を自動判別する。それを膨大なテキストデータの中から類似の内容ごとに検索して集約し、マーケティングや営業戦略に役立てて顧客満足度の向上や競争力強化に結び付けるといった流れだ。
そして、「需要予測システム」は、過去の実績データを基に今後の予測を自動的に行う。例えば、小売店舗で日別の販売数量などを正確に予測したい場合に有効となる。1年前の実勢データの推移と、季節性や休日効果、イベントの有無、トレンド傾向、プロモーション効果などの変動要因との関係を加味して規則性を推定し、各変動要因の未来情報を当てはめることで販売数量の正確な予測が可能になる。
本格導入前に日本ユニシスがアセスメントをサポート
機能は優れていたとしても、実際に導入した後に本当に効果を引き出せるのか不安なことがマイニングツール活用の難しいところだ。MiningPro21では、本格導入前に投資に見合った効果が回収できるかどうかのアセスメントを、日本ユニシスがサポートする。
その1つがパイロット分析サービスだ。事前に導入予定企業から実データを数アイテム借り受け、MiningPro21を用いて予測・分析作業を実施する。予測可能性の有無や最も効率的な予測方法、予測精度の高め方などを、日本ユニシスの分析ノウハウと併せてリポートにまとめて報告する。その他、予測要因や推定期間、アラーム基準などの検討を行って分析効果を確認して本番用の予測モデルを構築したり、分析の基本モデル開発など、パイロット分析から分析効果の確認、システム開発までを日本ユニシスがトータルでサポートする。
特化ソリューション向け組み込みエンジンとしても活用されるMiningPro21
また、野登氏は、「MiningPro21は業務の現場担当者が自由に分析を行う以外にも、業種や業務に特化したソリューション向けに定型の分析結果を算出するマイニングエンジンとしてシステムに組み込まれるパターンもある」と述べる。
日本ユニシスのオリジナルソリューションでは、ダイレクトマーケティングなどのデータベースマーケティングのための顧客抽出・分析ソリューション「DM/MA3」や、コールセンターに寄せられる顧客の声を分類・分析する「CVPro」、小売業と製造業などとの企業間で在庫や販売計画を連携する「OpenCentral plus CPFR」などのエンジンにMiningPro21が応用されている。
例えば、「PSIシミュレーション for MiningPro21」は、適正な販売計画や生産計画を一元的に可視化し予測することを支援するソリューションだ。物流倉庫を基点として工場の生産量(Production)と顧客への販売量(Sales)から入荷実績と出荷実績を導き出して倉庫別・SKU別の需要量を予測し、現在在庫を加味した適正在庫(Inventory)計画を作成することができる。この中で、出荷予測機能のエンジンにMiningPro21の需要予測システムが使われている。最新の需要変動の把握や、倉庫別、商品別の出荷予測、出荷予測数の修正などを行い、その情報を在庫計画に回して在庫状況に照らし合わせた推奨発注数を算出し、補充計画に役立てる。
MiningPro21を活用して在庫管理機能をSaaS提供する物流事業者
このPSIシミュレーション for MiningPro21を活用して日本ユニシスと協業している物流事業者がある。同社は荷主向けに在庫管理のデータ分析を行い、在庫予測を手作業で実施していたが、さらなる在庫削減や在庫補完面積削減の他、適正在庫管理の精度向上が求められていた。そのため、同社が持つ在庫管理と分析のノウハウと、PSIシミュレーション for MiningPro21の需要予測機能とを統合して、在庫の適正化・維持をサポートするソリューションを構築。2010年6月に荷主向けのASPサービスとして運用を開始し、2012年2月からはより低コストで利用できるマルチテナント型サービス(SaaS)として提供している。PSIシミュレーション for MiningPro21によって、在庫適正化の阻害要因の把握や、過剰在庫の圧縮、欠品削減、在庫保管面積の削減など、従来の物流オペレーション領域を超えた付加価値の提供が可能になったという。
物流事業者との協業について、日本ユニシス 総合マーケティング部 サービスビジネス企画室長の林 直樹氏は、「物流・アウトソーシングサービスの競争激化の中で、従来の3PL(Third Party Logistics)を超えて、最新のシステムを導入することによるサポートの強化が求められている。今回の物流事業者が提供するサービスでは、顧客のシステム投資を削減し、システム負荷の増減に柔軟に対応できるようになった他、自動化ツールや運用操作マニュアルを充実して顧客によるシステム運用を可能とし、ランニングコストを抑制している」と解説する。
属人化によるリスクを排除し、効率的なカタログ配布を実現した千趣会
また、通販大手の千趣会は、「カタログ配布システム」にMiningPro21を活用している。同社はネット購買の割合が急激に増えているものの、顧客ロイヤルティーが高く1人当たりの購入単価の大きい従来の紙カタログによる通販を重視している。18種類のカタログを年2~4回のサイクルで登録顧客に無料で送付し、年間の総発行部数は8000万冊にも及ぶ。
従来は、カタログを配布する際にどの顧客にどのカタログを送付するかという判断はマーケティング部門が行っており、DWHの情報を基に毎回SQLを組んで抽出作業をしていた。そのため効率が悪いだけでなく、優良な顧客に多種類のカタログが集中することによるカニバリゼーション(共食い)の発生についても問題視していた。顧客特性に応じて適切なカタログを広く送付することで購買率を上げ、費用対効果を高める必要があった。同一の基礎データを使った従来の抽出方法と、MiningPro21のスコアリング手法を用いた解析プログラムによるデータマイニングとの比較テストを実施した結果、日本ユニシスの提案するシステムでは、上位10%の顧客で最大16.4%の購買金額のアップが実証できたという。
2011年秋号からカタログ配布システムの運用が本格開始したことで、優良会員へのカタログ集中を緩和し、利用率の低い会員へもカタログを配布できるようになり、購買率を活性化。長期的な顧客育成にも寄与したという。
プロモーションのPDCAを支援するソリューションにも拡大
今後日本ユニシスでは、MiningPro21をさまざまな業界やビジネスシーンに活用してもらうため、新しいキャンペーンマネジメントソリューションの開発を予定している。新ソリューションは、DMやアウトバンドコール、メルマガなど、さまざまなチャネルを駆使したプロモーションの計画、実行、効果測定、分析といった顧客とのコミュニケーションPDCAを一元管理することができるという。これにより新規顧客の維持拡大や優良顧客の離脱防止など、顧客のライフサイクルに合わせて訴求する商品を選定する最適なプロモーションの実施を支援するという。そのマイニングエンジンにMiningPro21を利用してアプリケーションを構築し、プロモーションのレスポンスを顧客の声やソーシャルメディア上の声から分析するテキストマイニングツール「TopicExplorer」や、新規から優良までの顧客ライフサイクルを診断し顧客戦略を立案するリスト診断システム「ListDiag.」(ともに日本ユニシス製)などとも連携させる計画だ。
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