今後導入したいハイパーバイザー、Hyper-Vが伸びXenServerは横ばい:サーバ仮想化に関する読者調査結果リポート
既にサーバ仮想化を導入している企業は6割にも上る。今後のハイパーバイザーの導入意向では、Hyper-Vが大きく伸びている。
TechTargetジャパンでは、企業内でIT導入や運用管理に携わる会員に対し、Webによるアンケートを通じて「サーバ仮想化導入」に関する調査を実施した。
調査結果から、会員の所属する企業が導入しているサーバ仮想化製品/ソリューションや、その満足度、製品選定の際に重視するポイント、今後導入を検討している製品/ソリューションなどが明らかになった。
調査概要
目的:TechTargetジャパン会員のサーバ仮想化導入状況について調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2012年6月25日〜7月10日
有効回答数:285件
※回答の比率(%)は小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位まで表示しているため、比率の合計が100.0%にならない場合があります。
6割以上がサーバ仮想化を既に導入済み
まずは、サーバ仮想化の導入状況を見てみよう。「既に導入済み」と回答した割合は63.2%と6割以上にも及ぶ。2011年1月に同様の調査を実施したときは、「既に導入済み」が45.5%だったことから、この1年半で導入企業が20ポイント近く増えたことが分かる(関連記事:普及期に近づくも運用管理ノウハウに課題が残るサーバ仮想化)。
それでも、サーバ仮想化を導入しない理由
一方、サーバ仮想化を導入していない割合は、「現在計画はない」(17.2%)と「分からない」(7.4%)を合わせて25%近くある。2007年ごろからさまざまなハイパーバイザーが登場し、もはやサーバ仮想化が普及して5年以上たつと言っていいだろう(参照:プライベートクラウド実装の鍵はサポート付きOSSクラウド管理ソフト)。サーバ仮想化は、サーバ統合によるコスト削減、設置スペース/消費電力の削減など、多くのメリットが享受できる技術として広まった。だが、現在もサーバ仮想化を導入しない企業にはどのような理由があるのだろうか。
「サーバ仮想化をしない理由」については、アンケート調査の自由回答を幾つかのカテゴリーに分類しグラフ化した。それによると、サーバ仮想化に伴う新たな資金調達や運用管理体制の変更、上層部の理解など「社内体制が整わない」(21.2%)が最も多く、次いで「サーバ台数が少なく必要ない」(17.3%)が多かった。また、「ハード/ソフトの導入コストが高い」(9.6%)では、ハイパーバイザーの煩雑なライセンス体系が導入の障壁になっているという回答が多かった。
今後の導入意向はHyper-Vが伸び、XenServerは横ばい
最後に、今後導入したいサーバ仮想化製品/ソリューションについては、依然としてVMware vSphere人気は根強いものの、Hyper-Vが大きく伸びていることに注目したい。次期Hyper-VであるWindows Server 2012のHyper-Vは、日本マイクロソフトのエバンジェリストが「スペック比較表ではVMware vSphereに劣らない」と語るように、大きな進化を遂げている(関連記事:ここまで変わった! Windows Server 2012のHyper-V 3.0の新機能)。こうした事情を受け、企業ユーザーがHyper-Vへ期待を寄せていることがうかがえる。
以上、本稿では調査結果のダイジェストをお伝えした。サーバ仮想化製品/ソリューション導入における課題や、仮想環境に特化したバックアップ/セキュリティツールの導入意向など、より詳細なアンケート結果は以下でダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。
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