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診療所のIT化の歴史を振り返る(1) IT化の中核を担う電子カルテ【連載コラム】医療ITの現場から

現在、政府主導の施策によって医療のIT化が急速に進められている。診療所のIT化の流れを加速させている電子カルテの歴史を振り返ってみる。

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診療所のIT化を振り返る

 2011年8月にこの連載を開始して1年がたちました(連載インデックス:【連載コラム】医療ITの現場から)。その間にも医療ITを取り巻く状況は変化しています。現在、政府主導の施策によって医療のIT化が急速に進められています。

 診療所のIT化の歴史は、1970年代のレセプトコンピュータから始まり、その後画像フィルムを管理するPACS(医用画像管理システム)が、1990年代には電子カルテシステムが登場しました。近年は診療予約システムや映像配信システムなどが提供されるなど、IT化の範囲は広がっています。特に、医師の診療の質や効率を向上させる電子カルテは、診療所のIT化の中核を担っています。今回から2回にわたり、IT化の流れを加速させた電子カルテ登場以後における診療所のIT化の歴史を振り返ります。

電子カルテが正式に認められたのは1999年

 日本で電子カルテが正式に認められたのは、1999年です。当時の診療所のIT化といえば、レセコンが主流で、電子カルテの走りである「診療支援ソフト」が一部の診療所で使用されていました。当時の厚生省による「診療録等の電子媒体による保存について」の通知によって、「電子化の3原則」をクリアすれば、カルテを電子データとして保存・管理することが認められました。

電子カルテの3原則

  1. 保存義務のある情報の「真正性」が確保されていること
  • 故意または過失による虚偽入力、書換え、消去および混同を防止すること
  • 作成の責任の所在を明確にすること
    1. 保存義務のある情報の「見読性」が確保されていること
  • 情報の内容を必要に応じて肉眼で見読可能な状態に容易にできること
  • 情報の内容を必要に応じて直ちに書面に表示できること
    1. 保存義務のある情報の「保存性」が確保されていること
  • 法令に定める保存期間内、復元可能な状態で保存すること

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