移植性と相互運用性が肝に、長く付き合えるPaaSベンダー選択の指針:PaaS市場を分析する【後編】
長期にわたって信頼できるPaaSベンダーを選ぶにはどうすればよいのか。大手ITベンダーと小規模独立系PaaSベンダーの違いを取り上げる。
前編「パブリック vs. プライベート vs. オープン、PaaSを選ぶ基準は?」では、PaaS(Platform as a Service)をカテゴリー別に紹介した。後編では、PaaSベンダーの選び方を扱う。
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PaaSベンダーの選択
では、今後3年、5年あるいは10年にわたって頼ることができるPaaSベンダーを選ぶにはどうすればいいのだろうか。クラウド分野に進出したばかりでも、実力があるという理由で大手ITベンダーを選ぶべきだろうか。PaaS一筋の小規模な独立系ベンダーを選んだ方がいいのだろうか。それとも、大手と小規模なPaaSベンダーの製品を組み合わせるのがベストなのだろうか。
PaaSは時間の面でも経費の面でも巨大な投資になる。企業のクラウドの健全性は、どのPaaSベンダーを選ぶかに懸かっているといっても過言ではない。自社のビジネスニーズに最も合ったPaaSベンダーを選ぶ際の指針を以下に示す。
アプリケーション開発
PaaS上で開発可能なタイプのアプリケーションと、そうでないアプリケーションを特定する。さまざまなインフラストラクチャの選択肢を提供しているベンダーも何社か存在するが、特定のアプリケーションを開発するのに必要なインフラストラクチャを提供できるPaaSベンダーが存在しない場合もある。このため、PaaSアーキテクチャとPaaSツールを使ってアプリケーションの検証が行えることも条件となる。自社のアプリケーションの開発とテストに特別なハードウェアが必要とされるのであれば、PaaSベンダーを利用するのは難しいかもしれない。
移植性と相互運用性
PaaSベンダーとして成功するのは、アプリケーションの移植性とクラウドの相互運用性をサポートするPaaSを提供する企業だろう。多くの企業がハイブリッド型クラウド環境の開発を計画しているので、PaaSベンダーがそれに向けた製品、すなわちアプリケーションを異種クラウド間で容易に移植できるサービスを提供しているかどうかを確かめること。クラウド間の相互運用性を確認するには、候補となるPaaSが次の機能を備えているかどうかチェックする必要がある。
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