【導入効果】仮想化・クラウド時代のシステム障害対策「アプリケーションパフォーマンス管理製品」:複雑化したシステムのパフォーマンスをどう守るか【第1回】
仮想化、クラウドによりITシステムが複雑化している今、運用管理には「業務部門のスタッフやeコマースなどを利用する消費者にとって、システムは快適に使えているか」というエンドユーザーの視点が不可欠となる。
サイロ型のシステム監視では、パフォーマンスを担保できない
近年、APM(Application Performance Management)が注目を集めている。APMとは、従来のようにサーバ、ネットワークといったシステム構成要素を個別に監視するのではなく、「エンドユーザーの視点からITシステムのレスポンスを監視し、レスポンスの遅延原因を分析・把握することで、システムの信頼性担保、ユーザーの満足度向上、運用管理の効率化を図る取り組み」だ。これにより、安定した業務遂行と、eコマースにおける販売機会損失の防止などを狙う。
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昨今、仮想化によって1台の物理サーバ上で複数の仮想サーバが稼働しているなど、自社システムが複雑化している上、IaaS、PaaSといったパブリッククラウドの浸透により、レスポンスに影響を与える要素が自社のデータセンター外にまで広がっている。このため、物理サーバやネットワークなどを個別に監視する“サイロ型の監視スタイル”だけでは、レスポンス低下の原因を正確・迅速に把握、解決することが難しくなっている。これではシステムの安定運用=ビジネスの安定的な遂行/機会損失の防止に、常に不安要素を抱えていることになる。
こうした課題を解決するのがAPMツールだ。APMツールはエンドユーザーの視点でシステムのレスポンスを監視することで、データセンターの内外にあるレスポンス遅延の原因を迅速・正確に分析できる。本稿では、APMツールの4つの導入効果を紹介する。
APMの4つの効果
1.障害対応の効率化
APMツールは、各システム構成要素の監視結果をつなぎ合わせてシステム全体を監視する」従来のアプローチとは逆に、「システムのレスポンスから、個別の問題箇所を掘り下げていく」アプローチを採り、データセンターの内外にあるレスポンス遅延の原因を分析する。
その上で「その障害が、いつ、どのシステムで、どれくらいの範囲で、どのエンドユーザーに影響を与えているか」を分析する。これにより、「その障害がビジネス/サービスに与えている影響の大きさ」を正確に把握することができる。また、「その障害が、システムのどの機能に、どのような影響を与えているのか」「どのWebページで問題が発生しているのか」「遅延がサーバ側、ネットワーク側のどちらで発生しているのか」など、問題の原因箇所も分析できる。
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