【製品動向】新世代製品が続々登場、ネットワーク管理の現在:低価格化と使い勝手の向上が急速に進む
ネットワークの確実な運用は、TechTarget読者の間でますます重要な課題となってきている。過去2、3年に登場してきた新世代のネットワーク管理製品は、この課題に応えられる可能性がある。
TechTargetジャパンが2012年10月に実施した、ネットワークの構築・運用に関するアンケート調査では、ネットワーク監視・管理についての関心の高さが浮き彫りになった(参考記事:「29%がOpenFlowに関心、だがネットワーク最大の課題は運用体制」)。24.4%が「運用管理や障害監視などの機能が不十分」と答えている。また、機能比較やコスト比較をしたいと考えるネットワーク製品・技術については、「ネットワーク管理・監視製品」が33.7%で最多の回答を集めた。一方で、ネットワーク関連では全般的に構築・運用コストが大きな課題となっており、十分な管理体制を築きたくともままならないという趣旨の自由回答が目立った。
そこで本記事では、無料、あるいは低価格で使えるネットワーク管理製品を紹介する。管理製品というと、従来は統合プラットフォーム上で、対象分野や目的に応じた管理アプリケーションを稼働させるものが大部分を占めていた。こうした製品は、統合管理の観点からは非常に有利だ。しかし、コスト面ではハードルが高く、複雑で親しみにくいものが多かった。ネットワークの障害やパフォーマンスの監視、問題発生時の原因究明のためのツールとして機動的に使えるかというと、疑問符が付くものも見られる。
しかし過去2、3年の間に、新たな発想のIT管理製品群を提供するベンダーが登場している。これらに共通の特徴としては、本格的な機能を備えた製品でありながら、オンライン販売を積極的に活用するなどで価格を抑えている。また、初期設定が容易で、販売業者の手を借りることなく(実際には初期設定サービスなども提供されているが)、短時間で管理・監視の作業を始められるようになっている。無償版や評価版も用意され、試してから購入できる。こうした製品は、より小規模なネットワーク環境の管理改善に寄与することが期待できる。本記事では、こうした特徴を持つネットワーク管理製品の例を紹介する。
SolarWinds Network Performance Monitor
上記のような新世代の製品提供を行っているベンダーの1社にSolarWindsがある。同社はネットワーク、アプリケーション、仮想化、ログなどを対象に、15以上の管理製品を提供している。
そのなかでSNMPベースのネットワーク管理機能を提供しているのがNetwork Performance Monitor(NPM)。同社の他の製品と同様、短時間で初期設定を済ませ、管理作業を始められるようになっている。
インストールさえ終われば、ボタン1つでネットワーク上のSNMP機器が自動検知されてリストに追加され、認証情報を入力すれば監視をスタートできる。ネットワーク機器をそれぞれ自動検知できても、トポロジーが分からないと管理作業は難しい。この製品では機器相互間の接続関係を、グラフィカルなマップに接続状況を含めて自動的に表示できる機能がある。
初期設定が終わった時点で、各種機器の稼働状況およびパフォーマンスのデータが、自動的にリストやグラフで表示されるようになる。文字通りダッシュボード的な画面で全体的な状況を俯瞰でき、必要に応じてドリルダウンして詳細を確認できる。
パフォーマンス時系列グラフでいずれかの時点をポイントすると、その時点の詳細な統計情報が囲みで表示されるなど、管理者にとってのユーザーインタフェースはきめ細かく設計されている。
この製品が本格的なネットワーク管理を指向していることは、アラート(警告)の設定がきめ細かくできることでも分かる。
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