2013年のSSD出荷台数は前年比2倍以上に、新世代Ultrabookがけん引:米市場調査会社が予測
市場調査会社の米iSuppliは、世界のSSD出荷台数は2012年の3900万台から、2013年には8300万台に増加するという予測を発表した。
市場調査会社の米iSuppliは、2013年にはSSD(ソリッドステートドライブ)の世界の出荷台数が前年の2倍以上に増加する見通しであることを明らかにした。ストレージにSSDを採用した、これまでよりも安価な新世代のUltrabookの登場が予想されるからだという。
iSuppliのプレスリリースによれば、世界のSSD出荷台数は2012年の3900万台から、2013年には8300万台に増加するという。かつてはSSDよりも従来の回転式HDDの方がコスト面や容量面で勝っていた。とりわけ、1Gバイト当たりの単価ではHDDが圧倒的に有利だった。
しかし、SSDの1Gバイト当たりの価格は、一部から「普及を左右する境界線」とされてきた1ドルを既に割り込んでいる。また、米STECが2TバイトのPCIe SSDを発表するなど、ベンダーの中にはバルクストレージとしての利用を想定した超大容量SSDを販売しているところもある。
データセンターのストレージにSSDを使用すると、HDDよりも電力消費量が少なく済むというメリットもある。
「製造プロセスの効率化が進む中で、NANDメモリのコストや容量面の問題が徐々に解消され、SSD搭載のPCやサーバ、SSDストレージアレイなどがより実現しやすい存在になっている。また最近は次世代の不揮発性メモリ技術の開発も進んでおり、今後、SSDの性能はNAND型フラッシュメモリを用いた現在のものよりも改善されていくことが予想される」とiSuppliは指摘している。
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さらにiSuppliによれば、SSDの今後の展望は超薄型ノートPC「Ultrabook」の将来と密接に関係しているという。ただし、一般的なコンピュータの用途にタブレット端末やスマートフォンを使う人の増加に伴い、PCの販売台数が全体的に落ち込む中、Ultrabookの販売は最初から一貫して低調だ。
iSuppliは2012年10月には、Ultrabookの出荷台数予測を下方修正し、2012年における出荷台数を1030万台に引き下げた。これは、アナリストが当初予想していた2200万台の半分にも満たない数字だ。
iSuppliはその際、出荷台数が予想を下回った要因として、Ultrabookの1000ドルという価格の高さを挙げた。ただし同社は、新OS「Windows 8」など、追加の機能性を搭載し、価格帯を600〜700ドルまで引き下げられれば、メーカーにはまだ販売拡大のチャンスがあるとも指摘している。
Ultrabookの命運を握っているのは、米プロセッサメーカーのIntelだ。米CNN Moneyのサイトによれば、Intelは端末に“Ultrabook”という名称を使用できる条件として、タッチスクリーンの搭載を義務付けたという。さらにIntelは同サイトにおいて、タッチスクリーン搭載のUltrabook向けに設計した、長時間のバッテリー駆動が可能なプロセッサを開発中であるとも語っている。
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