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「突合点検」「縦覧点検」開始からの1年を振り返る:【連載コラム】医療ITの現場から
審査支払機関が2012年3月に開始した「突合点検」「縦覧点検」。開始から丸1年が経過したが、レセプト審査はこの間でどのように変わったのだろうか。
「突合点検」では、処方せんを発行した医療機関のレセプトと、調剤を実施した調剤薬局のレセプトを患者ごとにひも付けして点検します。コンピュータチェックが始まる前は、保険者が1500点以上のレセプトを対象にこの点検を実施していました。2012年3月からその範囲が全てのレセプトに拡大されました。
「縦覧点検」では、同一の医療機関が同一の患者に関して月単位で提出したレセプトを最大6カ月にわたり点検します。縦覧点検を実施することで、「3カ月に1回」「6カ月に1回」など期間や回数が限定されている処方や検査の点検が可能になりました。
これらの点検はいずれも、電子レセプトの普及に伴い審査支払機関が導入した「コンピュータチェック」により実現された点検の仕組みです。
コンピュータチェックは7割の水準に
社会保険診療報酬支払基金(以下、支払基金)は2011年1月、「支払基金サービス向上計画(平成23〜27年度)」を発表。その中で、原審査査定点数に占めるコンピュータチェックの比率を年々引き上げ、2015年には70%にすることを目標に掲げています。
支払基金の「支払基金サービス向上計画の第2次フォローアップ(平成24年度)」によると、2010年度平均の40.2%に対して、2012年5月〜9月の審査分の平均が56.2%となり、16ポイント増加しています。確実に目標値に近づいているようです。
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