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Dellのコンシューマライゼーションを指揮する「偶然の」CIO管理すべきは人ではなく「仕事量」

看護学校の学費を稼ぐため、一時的に開発の仕事をするつもりだったキャロル・フォーセット氏。今では、米DellのBYOD計画の策定に勤しんでいる。

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Computer Weekly

 「IT業界では誰もがそうだが、私も偶然この業界に入った1人だ」と、米Dellソフトウェア担当CIOのキャロル・フォーセット氏は言う。

 IT業界において約30年にわたるキャリアを順調に築いてきたフォーセット氏は現在、DellでBYOD(私物端末の業務利用)計画の策定に取り組んでいる。

注:本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 2013年5月15日号」(PDF:無償ダウンロード提供中)に掲載されている記事の抄訳版です。

 同氏は、「ITの世界に入ったのはプログラミングで学費を稼ぐためで、学費がたまったら看護の勉強に戻るつもりだった。母からはずっと(看護の勉強に)戻る気はあるのか? と聞かれている。私はとっくに諦めてしまっているのだが」と話す。

 フォーセット氏は、DellがIT管理ソフトウェアメーカーのQuestを半年前に買収した際に、CIOとしてDellソフトウェアに加わった。

 フォーセット氏は、1980年代に開発者として“偶然”IT業界に足を踏み入れ、医療も含め、さまざまな分野で仕事をしてきた。米HDDメーカーのWestern Digitalでは在籍していた16年間のうちに実力で出世の階段を上った。その後、ハードウェア業界からソフトウェア業界に移って、Questが2012年の9月にDellに買収されるまで、13年間同社でCIOを務めた。

 「Dellに買収されて、またハードウェアの思考回路に戻ったわ」とフォーセット氏は言う。

IT業界で生きる女性たち

 キャリアを歩みながら、ビジネスを理解し始めたフォーセット氏は、経営層を目指すことにした。

 「テクノロジーを理解し、情熱を持ってビジネスプロセスを改善して、本当に効率の良いプロセスにすること。それが自分のしたいことだと気付いた。経営層に進むことで、私は本当に自分の居場所を見つけた」

 女性が取締役レベルに進むのはたやすいことではない。そして、IT業界ほどそれが明確に感じられる業界はない。しかしフォーセット氏は、経営層で活躍する女性が増えていることをとても喜んでいる。

 「実際、DellのグローバルCIOのアドリアーナは女性で、彼女は現在、私の直属の上司だ。ますます多くの女性が経営に入ってくると思う。現在、多数の女性のCEOがいることからも分かるように、これは自然な成り行きだと思う。これは珍しいことではなくなってきている」

 「私自身は、男性優位の世界にいると思ったことはなく、単にこれまでは圧倒的に男性が多い業界だったとしか見ていない」

ワークライフバランス:曖昧になるプライベートと仕事の境界

 フォーセット氏はQuest時代に、23カ国4000人の従業員を対象にBYODプログラムを導入した。現在、そのノウハウをDellでも生かそうとしている。

 「私物端末の業務利用に対する人々の思いがとても強く、驚いた」とフォーセット氏はコメントする。Dellソフトウェアでは全世界を対象にBYODについてのアンケートを実施した。その結果、BYODプログラム導入後に従業員の生産性が向上したと回答した企業は74%、顧客に応答する時間が短縮されたと回答した企業は70%にも上った。

 ただし、同じ端末を仕事とプライベートの両方に使うと、個人の生活と仕事との境界が曖昧になる。プライベートでも仕事でもユーザー(従業員)はインターネットを好きなだけ使えるからだ。

 「仕事でMicrosoft Office、メール、通知機能付きのワークフローエンジンを使う。すると、プライベートの生活にも仕事が浸入してくる。企業は健康保険を準備し、従業員には通知が送られるようにする。従業員は通知を見逃さないようにと、通知を個人のメールアドレスにリンクする。しかし、そのアドレスには、友人や学校からの知らせも届く。こうしたことが全て、同じ端末上で混ざり合うことになる」

 フォーセット氏は、従業員が仕事中にプライベートの情報にオンラインでアクセスすることを禁じるのなら、自宅から仕事をすることも禁じるべきだという意見だ。

 「人を管理するのではなく、仕事量を管理すべきだ」と同氏は言う。「ワークライフバランスは各人で見つけなければならない。それを見つけるのは個人の責任だ」

続きはComputer Weekly日本語版 2013年5月15日号にて

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